映画『猫の恩返し』には、原作者の意向で変更されたシーンがあります。
それは何かというと、ハルが十字街でムタの上に座ってしまうシーンと、バロンがハルに紅茶を出すシーンです。
ジブリ作品の『猫の恩返し』ですが、この作品はアニメーション化を前提に描かれた漫画が原作となっています。
それは、柊あおいさんが描いた『バロン 猫の男爵』といって、宮崎駿さんが執筆依頼したものです。
「あたし、このパイきらいなのよね」
このセリフは、ジブリ作品の中でも、かなり大きなインパクトを残したんじゃないでしょうか。
『魔女の宅急便』でキキが老婦人から配達を依頼され、ニシンのパイを孫に届けるというもの。パイを受け取る際に女の子が、けんもほろろに言い放つ言葉です。
皆さんご存知のとおり、『となりのトトロ』は田園風景をオート三輪が走っているというシーンから始まります。
時代設定は昭和28年で、今はもう見られないような豊かな自然の風景が印象的な始まり方ですが、宮崎駿監督のアイデアでは現代の町並みから物語が始まる案もあったのをご存知でしょうか。
『千と千尋の神隠し』の終盤で、千尋たちが乗っている海原電鉄。電鉄と銘打っているものの架線が存在しませんが、現実にも電鉄を名乗りながら気動車で運行している鉄道路線が存在したのだとか。
それはさておき、海原電鉄には判明しているだけで7つの駅がありますので、ご紹介しましょう。
『千と千尋の神隠し』の印象的なシーンは沢山あると思いますけど、中でも誰もがワクワクさせられたのは千尋が「海原電鉄」に乗るシーンじゃないでしょうか。
この後、千尋たちはどこに辿り着くのか、どうなってしまうのか、と想像が駆り立てられる名シーンです。結果として、銭婆のお家に行くだけなのですが(笑)。
『風立ちぬ』の冒頭、まだ子どもの堀越二郎は夢の中で鳥型飛行機に乗っています。
あの印象的な飛行機って、実はこれまでに宮崎駿監督が描いたものの中に、その原型があるのです。
それは、『天空の城ラピュタ』のときに考えられていました。
宮崎駿監督は戦闘機が大好きで、中でも零戦に対しては憑りつかれるような呪縛があったといいます。小学生のときから零戦には不思議な霊力があり、ずっと付きまとっていたと語ります。
そんな愛してやまない零戦を、宮崎監督は3億円で購入しようとしたことがあったそうです。