平成狸合戦ぽんぽこ『平成狸合戦ぽんぽこ』には、様々なタヌキのキャラクターが登場します。このタヌキたちにはモデルがいるそうで、実は東映動画の歴史を描いているのだそうです。
主人公ともいえる正吉は高畑勲監督自身を描いていて、特攻して死んでしまう気性の荒い権太は宮崎駿監督をモデルとしています。



後に正吉の奥さんとなるおキヨは高畑監督の奥さんをモデルにしているし、権太の世話女房役となるお玉は宮崎朱美さんをモデルにしているのでしょう。

このことについて、「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」のなかで浪曲師・玉川奈々福さんとの対談で語っています。
玉川奈々福さんは浪曲で『平成狸合戦ぽんぽこ』を披露されて、その公演後の対談となります。

オレたちの青春があると泣いた宮崎駿

鈴木:
あの映画っていうのは、観る機会があったら、そうやって観てもらえると面白いんですけど、ご承知のように高畑勲・宮崎駿っていうのは、東映動画というアニメーション会社で、共に働く仲間だったわけですよね。
あの映画って、タヌキの話でもあるんですけど、日本人の歴史でもあるし、もう一つ、東映動画の歴史でもあるんですよ。つまり、あそこに出てくる登場人物っていうのは、ほとんど全員が高畑と宮崎の仲間たちなんですよ。

玉川:
えぇ、そうなんですか?

鈴木:
だから、今日のお話の中で何回も権太、権太、権太って出てきたでしょう?
あれ実は、宮崎駿なんですよ。

玉川:
そういう投影されている人物がいるんですか?

鈴木:
そうなんです。ぼくは忘れもしないですよ。映画が完成したときに、ぼくの隣に宮崎がいて、それで権太が出てくるでしょう。それで、すぐにカッときて、ああでもない、こうでもない、って言うのが宮崎なんですけど。

玉川:
あんなに気が短いんですか?

鈴木:
そうです。若いときはだいたいそうだったんですよ。で、結局、気が短いからすぐ死んじゃうじゃないですか。
で、ぼくの隣で、気がついたら泣いてるんですよね(笑)。
それで、ちょっと虫が良すぎるんじゃないかと思ったんですけど、正吉という主人公。あれは、高畑さんですよ。

玉川:
うそ~! それは~……、違うような(笑)。

鈴木:
正吉の恋人役のタヌキ(おキヨ)、あれは高畑さんの奥さんですよ。

玉川:
まあ、素敵な愛の物語ですよね。

鈴木:
そうやって観ていくと、いろんな意味で面白い映画ですね。

玉川:
鈴木さんから見ると、あれはどの人、これはどの人っていうのが……。

鈴木:
だいたいわかっちゃいますね。あのとき裏切ったヤツとかね。あのとき一緒に戦った仲間とか。敵は誰だったのかとか。いろんなこと考えて作られた映画ですね。

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