ユジク阿佐ヶ谷阿佐ヶ谷にあるミニシアターのユジクで、10月1日に開催された小田部羊一さんのトークショーに行ってきました。
当イベントは、高畑勲監督が演出を務めたテレビシリーズの『じゃりン子チエ』の上映後に行なわれたもので、本作で小田部さんは作画監督を務めていました。



トークの内容はもちろん『じゃりン子チエ』になるかと思いきや、予想外にもNHKの朝ドラ『なつぞら』の話題となりました。
小田部さんは、本作でアニメーション時代考証を務めており、その依頼が来た経緯からドラマの裏話まで語られました。小田部さんは、『なつぞら』のTシャツも着ておられました。

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本作の主人公・奥原なつは、小田部さんの奥さまの奥山玲子さんをモデルにしていますが、当初はその予定もなかったそうです。
てっきり、奥山さんをモデルにすることが決まっていて、小田部さんに時代考証のオファーが来たものと思っていたのですが、女性を主人公にすることしか決まっていなかったのだとか。

小田部さんが時代考証を担当したことが切欠なのか、やはりアニメーション草創期を描くとなると奥山玲子さんが適任ではないかとなり、後からモデルとなることが決まったそうです。

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時代考証を務めることになったのも、小田部さんは「天から降って来たような出来事」と言います。
小田部さんは、2017年に体調を崩されていて、主治医からも明日の命を保証できないと告げられていたそうです。死を覚悟した小田部さんは、高畑勲・宮崎駿・池田宏の3名に、弔辞を読んでもらうことまでお願いしていたそうです。

しかし、小田部さんはみるみるうちに回復し、退院することになります。そこに、舞い込んできたのが『なつぞら』のアニメーション時代考証の依頼でした。

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奥山玲子さんといえば、東映の労働争議や、女性の差別問題に率先して戦った強い人だったため、ヒロインのモデルにすると棘の立つ人物になってしまうのではないかと、小田部さんは少し心配していたそうです。
しかし、兼ねてから『海街diary』のファンだったという小田部さんは、ヒロインを広瀬すずさんが演じることに決まったことで気持ちは晴れ渡り、素晴らしい人間像が出来上がることを確信したといいます。
そして、奥原なつの「奥」の字は、シナリオライターの方がリスペクトを込めて奥山玲子さんから拝借したということも明かされました。
ちなみに、奥原なつは奥山玲子さんがモデルなのですが、公式で「モデル」という言葉を使用すると、人物像から身の周りで起こる出来事まで、すべて参考にしなければいけないため、「モデル」の文言を避けていたそうです。

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小田部さんがドラマに参加することになった時点で、すでに北海道編のシナリオは出来上がっていたそうです。
それを見て、小田部さんは『アルプスの少女ハイジ』の世界観を感じたと言います。草刈正雄さんが演じる泰樹の爺さんは、アルムおんじそのものと小田部さん。シナリオライターの方もやはり狙って書いていたそうです。

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驚いたことに、ネットの反響を見てシナリオも変更されていました。それは、ドラマの出演者が発表されたときに、登場人物とそのモデルを当てられてしまったため、反響が大きくなるであろう宮崎駿監督をモデルにした神地航也の結婚相手を変更したそうです。
当初、神地は、大田朱美さんをモデルにした三村茜と、史実通りに結婚する予定でした。しかし、モデルが知れ渡ってしまい、展開が読まれることを避けるためか、シナリオライターの方が茜の結婚相手を下山克己に変更したのだそうです。

正直、このエピソードにはドキッとしました。モデルを一覧にまとめたページなんか作って、申し訳ありません(笑)。

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高畑勲さんをモデルにした、坂場一久についても話されていましたが、忙しい演出家とアニメーター同士が結婚することはあり得ないと、小田部さんは仲間内で談笑していたとのこと(笑)。実際にそういった例もないそうです。

高畑勲監督は仕事人間だったため、家事は奥さまが必死にこなしていたそうですが、ドラマではイッキュウさんが家事をしていたことについて、小田部さんは「あれは、僕の生活が反映されている」と、笑いを誘っていました。

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そして最後に、プチ情報として、『小田部羊一アニメーション画集』が再販されることも発表されました
小田部さんは、『なつぞら』の劇中アニメーション『神をつかんだ少年クリフ』のヒロイン・キアラのイメージボードを描いていて、その絵も収録されるそうです。

現在、絶版となってプレミア価格のついた『小田部羊一アニメーション画集』ですが、定価で買えるようになりますよ!


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