スタジオジブリを題材にしたドキュメンタリ『夢と狂気の王国』が、先日ついに公開されましたが、皆さんもう観に行かれたでしょうか。
ドキュメンタリ映画なのでDVDでいいや、と思っている方もいるかもしれませんけども、長年ジブリを追いかけてきたファンの人なら感動できると思うので、映画館で鑑賞してみてはいかがでしょう。

現在、『かぐや姫』のプロモーションDVD・ブルーレイが配布されていたり、パンフレットもなかなか読み応えがあるので、劇場まで行く価値があると思います。と回し者のようにプッシュしておきます。でも、回し者じゃないですよ。



『夢と狂気の王国』パンフレット

パンフレットの価格は600円とお手ごろ価格ですが、テキストも充実していてコストパフォーマンスの高い内容となっています。

鈴木敏夫×川上量生 対談

見開きページで、鈴木敏夫さんと川上量生さんの対談が掲載されています。
こちらで、同映画の監督・砂田麻美さんについて語られています。
かなりの作家気質で、宮崎駿監督とも似たところあるようですね。この対談が、とても面白いです。

鈴木:
砂田くんは面白い監督ですね。

川上:
今回、砂田さんと付き合えたのはすごくいい経験でした。彼女は宮崎監督、高畑監督に比べると年も若いし、実績もない。でもクリエイターとして難しい人というのは一緒だなと思いました。

(略)

鈴木:
砂田くんは「自己表現」にこだわっている。彼女がこの作品を作っている間、苦しんでるのを横目で見たり、本人からチラッと話を聞いたりしたんだけど、その苦しんでるレベルが作家的悩みなんですよ。

砂田麻美監督インタビュー

『夢と狂気の王国』製作経緯から、この映画で描こうとしたことと、ジブリを一年間取材して感じたことを語っています。

砂田:
ジブリに流れている空気感。彼らがどういう世界の中で日々仕事をしているかを掬い取れれば、何かが伝わるんじゃないかと思いました。ヤクルトレディとの会話を何度も入れたのも、

ちなみに、砂田麻美監督のインタビューは、『Switch』12月号Vol.31のスタジオジブリ特集号「スタジオジブリという物語」にも掲載されています。
≫『Switch』12月号Vol.31 責任編集:川上量生「スタジオジブリという物語」

高木正勝インタビュー

『夢と狂気の王国』で音楽を担当した、高木正勝さんのインタビュー。
どのようにして、この映画の音楽を作成した語っています。このインタビューのなかでも、砂田麻美監督は、かなりの作家気質な人であることが伝わる内容でした。

高木:
スタジオジブリというところはとても面白いところで、宮崎さんがいるところと、鈴木さんがいるところでは全く空気感というか、醸し出す音が違うんです。

是枝裕和監督インタビュー

砂田麻美監督の師匠である、是枝裕和監督のインタビューも掲載されています。
砂田監督をデビュー前から知る師匠が、砂田監督がどんな人であるかということと、今作についての感想を語ります

このインタビュー内容については、『夢と狂気の王国』舞台あいさつのときに、鈴木敏夫さんも話していましたね。

鈴木敏夫 舞台あいさつのコメント
「パンフレットを買っていただくと、そのことも指摘がありましたけどね、ぼくも片鱗っていうのかね、かなり見ましたね。なかなか大変な監督ですよ。」
≫『夢と狂気の王国』舞台あいさつ

『夢と狂気の王国』ポスターが出来るまで

『夢と狂気の王国』ポスターが出来るまでまでのいきさつを、鈴木さんが語っています。
宮崎駿監督、鈴木敏夫さん、高畑勲監督の三人がなごみ荘の前で並ぶポスタービジュアル。この画は、ジブリの発行する小冊子「熱風」の表紙に使われたものを、そのままポスターとして使用しているのですが、この絵が完成するまでのいきさつは、初めて知りました。宮崎監督の遊び心を感じました。
以前、この絵を宮崎監督は、「養老院の昼下がり」と称していましたね。

 

『かぐや姫の物語 プロローグー序章―』DVD&Blu-ray

現在、『かぐや姫の物語』上映予定館では、どんな映画を観ても、先着で“『かぐや姫の物語 プロローグー序章―』DVD&Blu-ray”が貰えます。100万枚用意してあるとのことで、なくなり次第終了します。

パッケージもなかなか良いですね。

開くと、こんな感じ。

左がDVDで、右がブルーレイです。

 

新宿バルト9に作られたジブリの庭園

現在、新宿のバルト9では、ロビーにスタジオジブリをイメージした庭園が作られています。
世界一の庭園技師、ランドスケープアーティストの石原和幸さんによるもの。

造花などではなく、ちゃんと生きた木を使用しています。約50種類の植物で造園されているそうです。
バルト9に入った途端に花の匂いがしました。

東京にお住まいの方は、バルト9まで足を運んでみてはいかがでしょう。
11月22日まで展示されています。

『夢と狂気の王国』のパネルも展示されています。

 

『夢と狂気の王国』予告編

SWITCH Vol.31 No.12 ◆ スタジオジブリという物語 ◆ 責任編集:川上量生
スタジオジブリの人びと、特に高畑勲、宮崎駿、鈴木敏夫という3人が織り成す人間ドラマは、その作品と同じくらいに面白いのではないか……。現在、スタジオジブリで修行中のドワンゴ会長・川上量生を責任編集に迎え、高畑勲14年ぶりの新作『かぐや姫の物語』公開、宮崎駿引退表明など、新たな物語が動き出したスタジオジブリの現在をドキュメントする

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