トトロのふるさと基金「トトロのふるさと基金」25周年記念集会では宮崎駿監督と、同基金理事長・安藤聡彦さんによる対談が行なわれました。
同基金で『トトロ』使うことになった経緯や、ボランティア団体の運営について、狭山丘陵が『トトロ』の舞台になった理由などが語られました。



商品化で莫大な金が入ると、ロクなことにならない。

『となりのトトロ』は映画館で上映したときは、お客さんが全然入らなかったと宮崎監督はふり返ります。テレビで放映するうちに人気が高まっていき、いろんなスポンサーから商品化の話が出てきたそうです。
莫大なお金が入ってくることがわかったけれど、そんなものに依存したスタジオ経営をすると、「ロクなことにならない」と鈴木敏夫プロデューサーと話しており、「懸念」があったことを語ります。このとき、鈴木さんのほうが、強く懸念していたといいます。

それで、ナショナルトラスト活動をする団体に、『となりのトトロ』の権利をあげちゃおうという話になった。そうすれば、「トトロ基金」と自分たちの出すグッズ以外は、商品化の話はすべて無くなる。それは、「ぼくらにとって、実に気持ちが良いこと」と宮崎監督はコメント。
現在でも、ジブリグッズにおいては、消耗させない範囲でグッズ展開が行なわれています。

みんなが正しいと思うと、わけのわからない対立が起きる。
乗り越えられたのは、別の力を出す人がいたから。

同基金の内情について訊ねられると、「ぼくはジブリで仕事をしていただけだから、詳しいことはわからない」という宮崎監督。こういった活動は、時間と体力を含め、いろんなものを犠牲にしないと出来ないことなので、自分たちが正しいことをしていると思ってしまうと言います。

そういったときに、土地が値上がりしたり、開発がどんどん進んでいったり、いろいろな問題が累積していくと、方針や感じ方をめぐって、派閥が発生してしまう。派閥ができて厄介なのは、みんなが正しいことをしていると思っていること。すると、わけがわからない対立が生まれて、一時期は活動が停滞していたこともあったそうです。

それでも、なんとか乗り越えられたのは、別の力を出す人たちがいたから。このときに、安藤さん(現、同基金理事)が現れたのが大きかったと言います。安藤さんは、善意といった気持ちだけで活動をするのではなく、きちんとした取り決めを作り、理事会で何度も検討していた。それ以来、ブレずに運営ができるようになった。「安藤さんは、逃げ損ねて、いまでトトロの森に住んでいる(笑)」と笑顔で語りました。

『となりのトトロ』は散歩道がロケハンになった

狭山丘陵を舞台に『となりのトトロ』を描いたことについて訊ねられると、「特に狭山丘陵に思い入れがあるわけじゃないんです」と笑い、「地元の散歩道がロケハン代わりになってしまった。その当時は、昔の風景がまだ残っていた」と言います。
当時、勤めていたスタジオのあった多摩丘陵なども、ずいぶん混ざっているそうです。

この対談の前に、高校生による「トトロにちなんだ音楽会」が行なわれており、「お嬢さん方が、『トトロ』の音楽を演奏していて、なんて幸せな映画だったんだと感動した」と心情を明かしました。

宮崎監督にとって、「映画を作って良かった」と思える瞬間だったのだと思います。

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