なつぞら 第4週『なつぞら』第4週では、なつは演劇をすることになり徐々に表現者の道を歩むことになってきました。
まだまだアニメーターになるのは先になりそうですが、少しずつ表現をすることの喜びをなつは感じているようです。
第19話から第24話までの感想を、例によって例のごとく思い浮かんだアニメーションネタと共に書いていきます。



第19話『白蛇伝』

第19話で、なつは演劇部に入りガチガチの体育会系な訓練をするようになります。そして、同級生のよっちゃんや、古典的な漫画っぽい番長の門倉くんも演劇部に入部することになりました。それから、ついに倉田先生が演劇の脚本を書いてきました。そのタイトルは、『白蛇伝説』。なんと、日本初のカラー長編漫画映画『白蛇伝』をそのまんま持ってきたようなタイトルでした。

第20話「白娘(パイニャン)」

第20話では、なつが劇で演じる役どころが判明し、「ペチカ」という役で神の使いだったことがわかります。これには、『白蛇伝』のヒロイン・白娘(パイニャン)が浮かびました。しかし、これは映画の『白蛇伝』を描くわけではなく、北海道・鹿追町の伝承『白蛇姫物語』を題材にしているようです。
なつが劇で着る衣装のデザイン画を描いていましたけど、あれはアニメーションで描くイメージボードのようでした。

第21話「宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサー」

第21話では、なつが演じる演劇がアニメーションで紹介されました。そして、なつは劇のイメージを絵にしており、これはまさにアニメーションのイメージボードと同じ役割を果たしています。

演劇の練習で、なつは倉田先生に激しくダメ出しをされ、落ち込んで家に帰ってきました。その様子に、軽い調子で接する夕見子ちゃん。この関係性が、宮崎駿監督と鈴木敏夫さんとダブりました。イマジネーション豊かで落ち込んでしまうなつが宮崎監督で、何事もどこか客観的で深刻になることがない夕見子が鈴木さんです(笑)。

第22話「宮崎駿監督と雫」

第22話で、なつは演劇の練習をするうちに“表現”というものに悩みだします。なつが表現者に必要なことを学んでいって、これがアニメーターになったときにすべて活かされるという伏線が積み上げられているような、助走をつけている感じすごくしました。大きく跳びそうな気がして、宮崎駿監督が高畑監督の下で行なった演出修業の話を思い出しました。それから、自分をなんとか表現しようと葛藤する姿が、なんとなく『耳をすませば』の雫が浮かんじゃいました。

第23話「東映動画の作品」

第23話では、ついに演劇の幕が上がります。泰樹おんじも、もちろん演劇を観に行こうとしたのですが。そのとき、天陽くんがやってきて、牛の様子がおかしいと助けを求めにきました。おんじは牛の様子を見に行きます。しかし、劇は始まってしまう。果たして間に合うのか、おんじ!という展開でした。その演劇で皆が着ている衣装というのが、初期の東映動画作品を思い出させるものがありました。特に『白蛇伝』と『西遊記』『太陽の王子ホルスの大冒険』あたりでしょうか。

第24話『耳をすませば』

第24話で、なつたちは演劇をやり終えます。途中で番長・門倉のセリフが飛んでグダグダになったものの、自分の表現によってどこかで喜んでいる人や、楽しんでいる人がいるということと、それと同時に表現で誰かを傷つける可能性があるということを、なつは感覚的に覚えたというのが伝わってくるエピソードでした。表現者としての道を、もう一歩進んでいきます。
無理矢理ジブリに当てはめて考えれば、初めて自分を表現したということで、『耳をすませば』の雫と重ねることもできるでしょうか。でも、きっと、雫の小説以上に未熟な演劇になっている気がします(笑)。
泰樹おんじは今回のエピソードで農協と組むことを決めますけども、この演劇によって心動かされたわけではないはずです。山田家の牛乳がどのように扱われているのか、現実を知ってこのままではいけないと感じ、心が動いたのだと思います。そのうえで演劇を観ていて、なつの気持ちが響いているように見えました。

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