福井を代表する伝統工芸品の越前和紙が、スタジオジブリの人気アニメ映画「となりのトトロ」に登場するキャラクター「マックロクロスケ」のシールになった。開発、製作を担当したのは越前市大滝町の製紙会社「やなせ和紙」。毛羽立つ和紙の風合いが、毛玉状のキャラクターにぴったりで、女性の間で人気となっている。



製品は、和紙シール「くろすけ」の名称で、三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市)のミュージアムショップ「マンマユート」だけでの限定販売。昨年二月、やなせ和紙が都内で開かれた国際見本市に出展した際、和紙をシールにした自社製品「和紙っこ」が美術館担当者の目に留まり、オリジナルグッズの製作を依頼された。

目をくっきりさせるなどの要望を受けて試作と改良を重ね、完成までに半年ほどかかった。一つ一つが手作りで、円形の周囲を手でちぎって毛羽立たせている。

裏面を水でぬらしてガラス窓やプラスチック製品などに張り付け、乾いた後も繰り返しはがして使える。

販売は昨秋から始まっており、柳瀬晴夫社長(58)と妻の藤志子さん(52)は「本当にうれしかった」と声をそろえる。ジブリ映画のファンでもある藤志子さんは「なかなかOKをもらえず諦めかけたこともあったけれど、何とか製品にしたかった」。柳瀬社長も、和紙に触れてもらえる機会が増えたことを喜ぶ。

美術館の担当者は「耐久性があって何度も使え、繊維の風合いがマックロクロスケと合うのではと思った」と和紙を選んだ理由を説明。特に女性客の反応が良く、二、三セットまとめ買いする人もいるという。

直径四センチと六センチ前後のマックロクロスケと、一回り大きい桜の花の図柄をセットにして六百円(税別)。