でほぎゃらりードワンゴ、カラー、スタジオポノックの3社が7月31日、背景専門の美術スタジオ会社「でほぎゃらりー」を設立したことを発表しました。所属するのは、スタジオジブリ作品などに背景制作や美術監督として携わった11名。アニメーションのほかゲームや広告クリエイティブなど、さまざまな作品を手掛けていくとのこと。



新会社の社長には小林毅さんが就任。取締役は、カラー社長の庵野秀明監督、ジブリ所属のプロデューサーでありスタジオポノックを設立した西村義明さん、ドワンゴの川上量生会長が務めます。

アドバイザーには、これまでジブリ作品を数多く手がけてきた美術監督の男鹿和雄さんと武重洋二さんを迎え、「絵の具と筆による手描きの背景美術を未来に継承していく」ということです。

社名「でほぎゃらりー」について

「でほぎゃらりー」という社名については、スタジオジブリで美術監督として携わってきた男鹿和雄さんが、もし自身で美術会社を作るならと考えていた名前を授かったとのこと。

同社によると、「でほぎゃ」とは秋田弁で、“でまかせ、口まかせ”を適当に言ってしまうこと。しかし、人をだまそうとする悪意のあるものではなく、その場を面白おかしく適当に継いでしまうこと意味するのだとか。

「でほぎゃ」には、とっさの判断とそれなりのセンスも必要で、背景を描く人にとって置き換えてみれば、筆と絵具を使った“筆まかせ”“絵具まかせ”の「でほぎゃ」的要素があったほうがいいのではないかとの思いを込め、「ギャラリー」とかけ合わせ、社名としたといいます。

でほぎゃらりー設立について

川上量生のコメント
一流のアニメーション美術の専門家のみなさまと一流のアニメプロダクション様のご協力を得て、このたび新しい背景美術の会社を設立することとなりました。微力ではありますが、「でほぎゃらりー」を大成功させて、アニメ業界の発展とアニメ業界に携わるスタッフの社会的地位の向上に貢献できればと願っています。

庵野秀明のコメント
アニメの背景美術は、画面全体の7割を占め、作品の世界観を記し支える至極重要なパートです。アニメ制作のあらゆる過程がデジタル化されていく必然的な流れの中で、職人が紙と鉛筆と絵具と手描きに拘った作品世界が遺っていくのもまた色々な意味で良い事だと思います。微力乍ら応援させていただきます。一本でも多く世の中に美しくて面白いアニメ作品を作り遺していけたら、と思います。よろしくお願いします。

西村義明のコメント
世界を魅了する日本最高峰の美術家たちを集結し、彼らの美しい背景美術に支えられた価値あるアニメーション映画を制作していくことは、高畑勲、宮崎駿両監督に育てられた僕たち後進の役割だと強く信じ、「でほぎゃらりー」を発起いたします。