なつぞら『なつぞら』第13週は、雪次郎くん週間となりました。
以前より演劇に関心を示していた雪次郎くんが、新劇「赤い星座」のオーディションを受けるところから始まり、雪月ファミリーとの一悶着を経て、役者の道に進むまでのエピソードが描かれるという、ほとんど雪次郎くんが主役の『ゆきぞら』となりました。



第73話『耳をすませば』

第73話は、ほとんど雪次郎くんのエピソードとなります。菓子職人の道をやめて、演劇に進もうとする雪次郎くん。しかし、なつを始めとして、川村屋の人たちは皆止めます。雪次郎くんの行く末を心配していたなつでしたが、東洋動画では『わんぱく牛若丸』の製作真っ最中。しち面倒くさい演出助手の坂場一久くんに突っ込まれて、やり直すことに決めた「鵯越の逆落とし」のシーンを描くことになったなつは、階段で四つん這いになって馬の動作を確認します。なつよ、北海道で散々馬に乗っていたじゃないか。そんなことしないでも描いてほしいぞ(笑)。すると、そこに坂場くんが通りかかります。なつは、坂場くんが以前言いかけていた、アニメーションにしかできないこととは何かについてどんな答えがあるのかを聞きました。すると、坂場くんは「それは、あなたが考えてください。それがアニメーターに対する敬意だと思います。あなたが本当のアニメーターなら」と答えます。
その返事に、なつは「やな奴、やな奴、やな奴!」と月島雫ばりの怒りっぷりを披露したのでした。まさか、ここにきて『耳をすませば』が再現されるとは! この先、丘の上でプロポーズもあるんでしょうか。

第74話『ゆきぞら』

第74話は、雪次郎週間2日目となります。雪次郎くんが菓子職人をやめるという話を聞きつけて、北海道から家族が総出でやって来ました。
咲太郎が雪次郎をそそのかしたという疑惑をもたれ、雪月ファミリーから責められてしまう一幕を経て、一行は川村屋に行き、息子が迷惑をかけたとお約束の土下座をします。「やると思ってましたよ」と川村屋の皮肉屋・野上さん。今日も、いい味出してます。
そして、ついに家族は雪次郎が逃亡したアパートにまでやってきたところで、この回は終了。もう、すっかり雪次郎が主人公の『ゆきぞら』なのでした。

第75話「ほっぺち」

第75話でも順調に『ゆきぞら』が続きます。北海道から雪月ファミリーがやってきて、捕らえられた雪次郎くんは自分の意に反して、川村屋に強引に戻されてしまいます。父親の雪之助さんが頭を下げて、再び川村屋で働くことになった雪次郎くん。
しかし、雪次郎くんはどうしても演劇がやりたくて仕方がありません。作業をしながら涙を流す雪次郎くん。それをを見ていた、トヨお婆ちゃんは「もう良い、行け」と頬をペチペチとします。NHK大河ドラマ『真田丸』で有名になった、ほっぺちがここでも登場します。なつも酪農を捨て、漫画映画の道に進む際に、泰樹おんじからほっぺちされていましたし、これは通過儀礼のようです。

一方なつは、『わんぱく牛若丸』の馬のカットを描いていいます。自分なりに納得のいくシーンが描けたようですが、下山先輩やマコさんからはまだ何か足りない、とダメ出しを食らいます。馬の動作に溜めが足りなかったようです。
どう描けば良いものか、階段に座り込んで思い悩んでいると、そこにやって来たのは例によって坂場くん。お役に立てるなら馬になって階段を駆け下りましょうか、と坂場くんは真顔で提案します。いいキャラです。
なつは笑顔で断って立ちあがったとき、バランスを崩して階段から転げそうになります。その瞬間、坂場くんが手を掴み、「大丈夫?」と見つめ合う少女コミック的展開なのでした。

第76話「残像表現」

第76話で、なつが苦戦していた馬のカットが出来上がります。踊り場の階段で転げ落ちそうになったときに、腕をぶんぶんと振ってバランスをとったことで、馬の脚を振り、残像を描くことを思いついたなつ。流線つきで前足が4本ある漫画的表現でした。周りからの評判も上々。しかし、監督の露木さんはお気に召さない様子。ところが、この挑戦的な表現をアニメーターの皆が肯定したため、採用されることになります。坂場くんも気に入っているようでした。まだこの世界では、残像を使った表現はあまり使われていないようですね。
実際のアニメーターたちが試行錯誤をしながら、限られた条件のなかでいろいろな表現を試みたことが伝わってくるエピソードでした。今週は、一つひとつの話を丁寧に描いていますね。

モモッチとなつが喫茶店でお茶をしているときに、坂場くんの話をしていましたけど、モモッチも坂場くんにはまんざらでもなさそうに見えましたし、なつもまだ坂場くんに好意的なことに自覚がないようでした。これから恋が動き出すようです。

第77話「雪次郎の最終試験」

第77話となって、雪次郎週間の『ゆきぞら』も大詰めです。演劇をやりたい雪次郎と、雪月を継いでもらいたい雪之助の葛藤が描かれます。当初は、雪次郎が演劇に転向することを全否定していたなつも、何故かコロっと肯定側に回って雪之助さんを説得しています(笑)。
雪之助からの最終試験として、おでん屋「風車」にある限られた設備で、バターケーキを作れと言われます。この2年間の修業の成果があるのかどうか、単純にサボっていて演劇に逃げているだけじゃないのか、厳しいチェックが入ります。
しかし、その味に雪之助さんも「なにをするにもこれくらい努力しろ」と納得の表情を見せて、演劇に進むことが認められたのでした。この先、雪次郎くんも声優やライブアクションなどでアニメーションに関わるのでしょうか。

第78話「『わんぱく牛若丸』の完成」

第78話では、東洋動画の長編2作目の『わんぱく牛若丸』が完成します。その打ち上げで、なつは勝農の校歌「FFJ」を披露していました。まさかここまで「FFJ」が引っ張られるものだとは、十勝編を観ているときに考えもしない伏線の張りようです。製作陣からの思い入れが感じられます(笑)。
打ち上げで、陽平くんから天陽くんが結婚することが告げられて、なつは少しショックを受けていました。あなた、途中から天陽くんのこと忘れてたじゃないの、って思いますけど、わりとリアルな心理描写ですよね。

アニメーションの制作現場はわりと丁寧に描かれていますが、ざっくりと端折ったりもしていて、ドラマはさくさくと話が進んでいきます。今回は『白蛇姫』では扱わなかった、当時のアニメーションの撮影を再現するんじゃないかと思ったんですけど、まったくありませんでした。やはり撮影台の再現が困難なのでしょうか。
それから、声優の田中真弓さんが声だけの出演をしていて、わんぱくな牛若丸を演じていました。山寺宏一さんに続いてビッグネームが起用ですね。今後も声優界から大物が出てくるのでしょうか。神谷明さんや日高のり子さんや島本須美さんらが出演すると、ジブリファンもアニメファンも大喜びなのですが。はたしてどんなサプライズがあるのか。来週に続けよ。

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