NHKで放送されていた『トップランナー』。1997年から2011年まで放送され、作家、芸術家、アスリートなど、時の話題の著名人が招かれるトーク番組です。
この番組の第15回目の放送に、宮崎駿監督が出演したことがあります。現在では、宮崎監督がテレビに出るのは珍しいことですが、この時は1997年。つまり、『もののけ姫』の公開時。まだ宮崎監督が、現在ほど神格化される前の出演です。
実はこの番組、書籍化されていまして、1998年に刊行された『トップランナー vol.1』に、宮崎監督の出演回が収録されています。
トークの内容はというと、『もののけ姫』の制作エピソードから、現在では有名な話となった『白蛇伝』から受けた影響や、学生時代・若手時代の宮崎さんの話が語られています。さらに、『もののけ姫』制作前に考えていた、もう一つの企画『毛虫のボロ』であったり、幻の作品『東京汚穢合戦』などの話も、ここで披露されています。
それから、番組内で、アニメーター・絵描き等を志す学生からの質問コーナーが設けられ、宮崎監督が答えるという、現在では考えられないようなやりとりも交わされています。
予定では、学生が描いた作品に宮崎監督がアドバイスをすることも考えられていたようですが、「きれいごとを言うためだけに人の才能を見れない」とスパッと断るという一幕もあります。
この当時、番組をリアルタイムで見ていましたけど、こういった本音をテレビで言っても良いんだ、こういった大人がいるんだ、と衝撃を受けたのを覚えています。
『もののけ姫』が爆発的ヒットして以降、宮崎監督の露出も各段に増えて、現在ではそんなに珍しいエピソードも多くないかもしれませんが、この当時としては初出しの話もたくさんありました。
この当時の宮崎監督を知りたい方は、買ってみては如何でしょうか。
トップランナー vol.1 宮崎駿監督が出演した回の「トップランナー」を書籍化 |