例によって例のごとく、「映画のまち調布 シネマフェスティバル」の季節がやってきました。
毎年2月・3月に開催される当映画祭。2019年から始まり、ジブリ作品の上映も今回で6作目となります。
『風の谷のナウシカ』から始まり、『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』ときて、昨年は近藤喜文監督の『耳をすませば』が上映されたものだから、もうてっきり『紅の豚』の上映は無いのかと思っていました。
ところが、なんと今年が『紅の豚』ということで、公開順で上映しているわけではないことがわかりました。
さてさて、『紅の豚』といいますと、1992年の作品です。何を隠そう(隠してませんが)、わたくしがジブリ作品でいちばん最初に劇場鑑賞したのが『紅の豚』でした。当時の自分は、この作品の面白さに気づいてはおりませんでした。否、映像的な面白さは感じていたような気はしますけど、この映画で描いていることをよく理解していませんでした。
しかし、キャッチコピーが「カッコイイとは、こういうことさ。」ということもあってか、大人のカッコ良さを感じて憧れを抱いていたのが、『紅の豚』だったのです。この作品の面白さと、ほんとうのカッコ良さがわかり始めたのは、何年か過ぎてからのことでした。
実は、『風の谷のナウシカ』も自分にとってはそういった類の作品で、最初に観たときは怖い映画としか思っていなくて、しばらく観たいとは思いませんでした。
ところが、そういった映画こそ、あとから面白さに気づいてハマっていくんですね。今では、どちらも大好きな作品です。
きっと、同じような経験をしている人も、多いんじゃないでしょうか。
『紅の豚』はリバイバル上映をした記憶がないので、おそらく約32年ぶりの劇場鑑賞です。
もう何度もテレビでは観ているんですけど、やはり劇場鑑賞となると、何かが違う。声優陣の声の良さを再認識したり、飛行機の機体が微動していて手描きの臨場感が伝わってきたり、アニメーションなんだけど、絵なんだけど、このキャラクターは生きている!っていう、息吹きを感じるんですね。
まさに、生命を吹き込む魔法。
あぁ、アニメーションって素晴らしい。
この物語のあと、ポルコとジーナはくっ付いただろうけど、フィオはどうしたんだろう。ピッコロ社を継いで、どんな生活をしているんだろう。
と、妙に彼ら彼女らのその後の生活が気になってしまいました。
それから、宮﨑駿監督はコメディの名手ですよね。
初期の宮﨑作品にはコメディがあった。『未来少年コナン』『ルパン三世 カリオストロの城』には、笑えるシーンが散りばめられていた。
ところが、ジブリが始まってからは、宮﨑コメディは影を潜めてしまった。しかし、この『紅の豚』だけはコメディが満載で、何も気を張らずに楽しむことができる。
あぁ、映画って素晴らしい。
また、こういう宮崎コメディが帰ってこないかな、宮﨑監督最後の作品は『ポルコ・ロッソ 最後の出撃』で、なんて思ってしまいました。
シアタス調布の『紅の豚』上映は、2月18日までやっています。
ぜひぜひ、この機会に劇場鑑賞してみてください。
これまでの調布シネマフェスティバル
- 2023年『耳をすませば』『On Your Mark』上映会
- 2022年『魔女の宅急便』上映会
- 2021年『となりのトトロ』上映会
- 2020年『天空の城ラピュタ』上映会
- 2019年『風の谷のナウシカ』上映会