コロナ禍の世の中になってしまい、県マタギのジブリ旅をできなくなってしまったので、こうなったら近郊をで楽しもうじゃないかと、『となりのトトロ』のモデル地めぐりをしてきました。
本作のモデル地は、ほぼ所沢の近辺に固まっています。巡った日が40度越えの猛暑日だったせいか、人込みを避けて巡ることができました。
松郷の交差点
物語のオープニングで、草壁家はオート三輪に乗って松郷に引っ越してきますよね。
あれは埼玉県所沢市に実在する地名でして、こちらの写真が現在の松郷の交差点です。
映画では田園風景でしたけど、現在は車がガンガン走る都会になっています。
看板には「松郷」の表記も見られます。
狭山公園の宅部池
狭山公園内に宅部池という小さな池があります。
この池は、メイが溺れたんじゃないかと勘違いされた、神池のモデルではないかと言われています。
実はこの池、通称「たっちゃん池」と呼ばれていまして、大正14年に当時7、8歳のたっちゃんという男の子が、溺れて亡くなってしまったという話があります。
この日は、池の調査をしている方々がいて、メイを捜している人たちと重ね合わせてしまいました。
映画の中でも、靴が見つかったというエピソードがあったのは、もしかしたらたっちゃんに対する何らかの想いがあり、描いたのかもしれません。
しかし、メイが迷子になった話は、宮崎さんの子供時代のエピソードなどもバックグラウンドにあるため、たっちゃん池の件はただの偶然の可能性もあります。はてさて……。
八国山
映画ではよく「七国山」の地名が出てきますけど、それは「八国山」がモデルです。
八国山緑地という大きな公園があって、ここは宮崎監督もよく散歩をしていたようです。
映画では、お母さんが入院しているのが七国山病院といって、サツキとメイたちも山道を通ってお見舞いに行っていましたが、それはこの八国山緑地がモデルです。
新山手病院
そして、七国山病院のモデルが、実際に八国山に隣接している新山手病院がモデルとなっています。
この病院は、元々結核療養所として開設されたそうです。
現在は、建物の外観が映画とはまったく違いますが、当時は似たような建物だったのかもしれません。
上安松地蔵尊
ここは、サツキとメイが雨宿りをしていた、地蔵小屋のモデルと思われます。
男前なカンタくんは、自分がずぶ濡れになるのも構わず、傘を貸してくれましたね。
三叉路地蔵
これは、所沢市北秋津の三叉路にあった、お地蔵さんです。
一番最初に、病院にお見舞いに行くときに、お父さんが道を間違えそうになったときに登場しました。
そして、物語終盤でメイが迷子になって、サツキが必死に探しているときにも登場しています。
ここでサツキは、オート三輪に乗ったカップルを呼び止めて、メイを見なかったか尋ねました。
松郷から来たことを言ったら、驚いていましたね。
この場所は、実際に八国山と松郷の中間的な場所に位置します。
映画では、この近辺は茶畑がありましたけど、実際にその通りです。
梅岩寺の六地蔵
東村山市にある梅岩寺には、迷子になったメイが疲れ果てて座り込んでいた六地蔵があります。
映画と同じように、この周辺は実際に高圧電線が多くて、ネコバスが移動するのに困らないロケーションです。
七国山病院のモデルとなった新山手病院とは、1㎞も無いくらいの距離にあります。
メイも惜しいところまで来ていましたね(笑)。
バス停
七曲通りにある、稲荷というバス停です。
『となりのトトロ』のバス停のモデルは諸説あるのですが、宮崎駿監督は「所沢飛行場に行く途中の道にある」ということと、「昔は木々に囲まれていたけれど、今はまったくない」と言っていたことから、この「稲荷バス停」がモデルと思われます。
メイが覗いていたようなお稲荷さんは、周辺には見当たりませんでした。
生垣
ここはモデル地とは関係ないかもしれませんけど、映画の背景と似ているので撮影しておきました。
映画の中で、電報が届いて本家に電話を借りに行くシーンがありますけど、そのとき歩いていた生垣に囲まれた道と似ていると思いませんか?
サツキやカンタたちの通学路にも、こんな生垣がありましたね。
鉄道の高架橋
サツキの通学路には、小さめの高架橋がありましたけど、似たような形のものがありました。
白旗塚
ここは塚森のモデルとされている、白旗塚です。
映画では、入口に鳥居があって大きな山でしたけど、実際は鳥居もないし小さな丘です。
以前は、丘の上に祠があったそうですが、今は何もありませんでした。
サントアン
ここはモデル地ではありませんが、ジブリファンにとっては熱いお店です。
宮崎駿監督が昔から通っているパン屋で、奥さまの朱美さんもよく買いにくるそうです。
『風立ちぬ』で有名になったシベリアがイチ押し商品になっています。
宮崎さんがよく買うのは、そのシベリアとポッケというパンだそうです。
それから、こちらのお店では、トトロのパンも売っています。
宮崎駿さん公認のトトロパンなんて、おそらくここだけの商品です(笑)。
淵の森
サントアンの近くにある淵の森にも行きました。
ここは、東村山と所沢にまたがる森で、宅地開発の危機にあったところを宮崎駿監督が3億円の寄付をして、開発から守りました。
ちなみに、この森は宮崎さんが昔からよく散歩していた場所で、『となりのトトロ』の構想をここで練っていたと言われています。
今回、モデル地を巡ってみて、宮崎駿監督に掛かると、映画ではあれだけ立派なものになるのかと、実際の場所を通してそのイマジネーションに感激していしまいました。
皆さんも、よかったらモデル地めぐりをしてみてはいかがでしょうか?