スタジオジブリで長らくアニメーターを務めた、舘野仁美さんの著書『エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ』の詳細情報が明かされました。価格が変更されたほか、表紙絵が明かされています。ブックカバーは、大橋実さんの描き下ろしで、アリエッティのように小さくなった舘野さんが、作画に奮闘しているもの。
同書籍は、ジブリが刊行するフリーペーパー「熱風」で連載されていたものに加筆され、11月21日に発売されます。
舘野さんが、スタジオジブリでアニメーターとして務めた27年間をふり返ります。記憶の中にある宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサー、そして高畑勲監督に、スタッフたちとのエピソードなどなど。序文には、鈴木敏夫プロデューサーによる「メイちゃんの誕生」が収録されます。
『エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ』目次
- メイちゃんの誕生(スタジオジブリ鈴木敏夫)
- はじめに(舘野仁美)
- プロローグ
- 1 ジブリ王国の門をくぐる、エンピツ戦士
- 2 ジブリの森で宮崎監督に雷を落とされる
- 3 師匠たちに怒られながら、腕をみがく日々
- 4 トレスマシンと格闘し、スケジュールに追いかけられる
- 5 光があれば、闇もある。表現者はなにを考え、どう動くべきか
- 6 いいアニメーターの条件とは? 教える立場になって思ったこと
- 7 ジブリを巣立つ日。そして人生は続く
- エピローグ
- エンピツ戦記外伝――構成者あとがき(平林享子)
「プロローグ」より
私はスタジオジブリで長年、アニメーターとして働いていました。とくに動画チェックと呼ばれる作業を担当していました。
「動画チェックってどんな仕事?」
そう思われる読者の方も多いかもしれませんが、簡単に言うと、アニメーターが描いた線と動きをチェックする仕事です。動画の線は、アニメーションが生きるか死ぬかの生命線であり、その品質管理をする仕事です。
というと、なんだかすごくカッコいい仕事のようですが、アニメーターの仕事の中で、いちばん地味で目立たない裏方で、まさしく縁の下の力持ちであることを求められます。
裏方であるはずの私が、鈴木敏夫プロデューサーの鶴の一声で、なぜか回顧録を書くことになってしまいました。
(中略)
それは、私の思い出であると同時に、ジブリで一緒に働いていたスタッフみんなの思い出でもあります。できるだけ、みんなの声や思いも伝えたいと思いながら書きました。
このような機会を与えてくださった宮崎さんと鈴木さん、そして、ジブリで一緒にすごした多くの仲間たちに、心からの感謝をこめて。
エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ 『となりのトトロ』から『思い出のマーニー』まで。ジブリ作品のアニメーターとして、裏方に徹した著者・舘野仁美による回顧録。 発売日:2015年11月21日(土) |