風立ちぬ『風立ちぬ』は、宮崎駿作品のなかで、これまでにないほど、色々な作品を下地にしている映画です。
予備知識として知っておくと、より『風立ちぬ』が楽しめる本をご紹介します。参考までにどうぞ。
堀辰雄とトーマス・マンの小説は、共にサナトリウムを題材にしていますが、当時は結核が珍しくなかったということですね。



漫画『風立ちぬ』

風立ちぬ 漫画

映画の原作にあたる漫画版『風立ちぬ』は、宮崎駿監督が模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」で連載していました。
こちらの作品は、まだ書籍化されていないので、連載誌のバックナンバーを揃えるしか読む方法がありません。
ジブリファン・宮崎駿ファンの方は、揃えてみては如何でしょうか。

※2009年10月号は休載です

 

堀辰雄の小説『風立ちぬ』

風立ちぬ 小説

映画の『風立ちぬ』の恋愛は、堀辰雄が書いた私小説『風立ちぬ』を下地としています。
もちろん、小説の主人公は堀越二郎ではなく、「私」として語られていていますし、航空技師でもありません。
ヒロインも菜穂子ではなく、「節子」となっています。ただ、恋愛の空気感は同じようなものを感じられると思います。
節子のモデルは、堀辰雄の恋人だった、矢野綾子さんです。

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堀辰雄の小説『菜穂子』

菜穂子 堀辰雄

題名にもある通り、『風立ちぬ』のヒロイン里見菜穂子は、この作品から大きな影響を受けています。
小説『風立ちぬ』の節子が、「純愛と薄幸」のキャラクターに単純化されているのと比較すると、小説『菜穂子』の主人公は全く違う複雑性と深み、そして「女性としての強さ」を与えられています。
菜穂子がサナトリウムを抜け出して、二郎に会いに来るシーンなどは、この作品からの影響が大きいと思います。宮崎駿監督が好みそうな女性像ですね。

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トーマス・マンの小説『魔の山』

魔の山

『風立ちぬ』と同じく、結核の患者がサナトリウムで療養する姿が描いた物語。
主人公の名前は、ハンス・カストルプといって、『風立ちぬ』のカストルプのイメージはここから引っ張られています。

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堀越二郎の手記『零戦 その誕生と栄光の記録』

零戦 その誕生と栄光の記録

実際の堀越二郎が、当時の記録を元に、ゼロ戦のアイデアから完成までの過程を綴った貴重な記録。宮崎駿監督も、こちらの本を読んで、堀越二郎を研究していたと思われます。
飛行機に関する基本的な知識を持っていない読者を前提として著されているため、専門知識がなくても読みやすい内容となっています。

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