新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』

新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』を観に行ってきました。
本公演は、12月6日に開幕し、8日の昼の部の公演で主演を務めると尾上菊之助さんが、舞台の本番中に骨折するという事故が起きました。
その翌日となる、9日の公演に行ってまいりました。



最初に口上で、怪我により演出等変更して演じます。皆、命がけでやっております、温かく見守ってください。と挨拶があり、会場は拍手で沸きました。
自分自身が初見なもので、演出の変化がどの程度あったのかわかりませんけど、菊之助さんが怪我をする切欠となったトリウマに乗る場面というのはありませんでした。

新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』

昼の部を観た限りでは、怪我を感じさせるようなことはほとんどありませんでした。夜の部は、若干動きの少なさを感じるところもありましたが、これらも、事前情報として怪我を知らなければ、きっと気づかないレベルだと思います。

新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』

冒頭でナウシカがテトと触れ合う「怖くない、怖くない」の場面は、メディアで流れていた映像では左手を使っていましたが、やはりこれは右手で行なっていましたね。基本的に左手は使わず、固定している状態だったので、ギブスをしていたのかもしれません。おそらくメーヴェに乗る場面もカットされています。

新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』

内容の方はというと、歌舞伎のテイストでありながらちゃんと『風の谷のナウシカ』の世界観が保たれています。
歌舞伎ファンとジブリファンを納得させる内容に仕立てるのは、そうとうな苦労があっただろうと思います。

なにしろ、ユパ様とアスベルが歌舞伎でもめちゃくちゃカッコイイ。そして、中村七之助さんが演じるクシャナが、クシャナにしか見えなかったです。

新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』

客層は、歌舞伎ファン6のジブリファン4くらいの比率でしょうか。クシャナが見栄をきったところで、客席から「中村屋!」と掛け声が入ったりして、歌舞伎の世界も存分に感じられます。
変な言い方ですけど、数百年後の世界に来て、古典の扱いになった『風の谷のナウシカ』の演目を観ているような気分にもなりました。

そして、王蟲が登場する場面。「小サキ者ヨ」と語り掛ける王蟲の声は、香川照之さんこと市川中車さんが担当しています。なんていう贅沢な役者陣なんでしょう。

巨神兵をどのように表現するのか気になっていたら、こちらもなるほどと思える内容でした。
ネタバレになるといけないので、あまり詳しく言えませんけど、終盤の舞には演者陣の熱量や、怪我を押して行なった万感の思いも伝わって、涙が出そうになります。終幕後も鳴りやまない拍手が、どれだけ素晴らしい公演だったか物語っていたと思います。

当日券について

ちなみに、本公演の前売チケットは即日完売だったので、観に行けない人も多いかと思いますが、なんと!
当日券が各日10枚程度は出ているそうです。枚数が少ないので争奪戦必至ですが、早朝から並んで観る価値はあると思います。
なにしろ、生で観てこそ伝わってくる迫力があります。

販売されるチケットは、その日によって枚数も種類も違うそうですが、だいたい1等席と3階B席が若干枚 用意されるようです。
この機会を逃したら、もう一生、生で観ることができませんよ!

ディレイビューイング上映

前売券を逃したし、当日券に並ぶのもちょっと……という方には、来年2月14日から本公演が劇場公開されるディレイビューイング上映があります。
2月14日より前編が、2月28日より後編が、それぞれ1週間限定で上映されます。
昼の部を前編、夜の部を後編とし、東劇、新宿ピカデリーほか全国にて上映されているので、こちらもお見逃しなく。

前売券は、ローソンチケットにて12月19日10時より、ディレイビューイングの「ムビチケコンビニ券」が発売されます。
ちなみに、価格は前編・後編各4000円。当日券は前編・後編各4300円となります。

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