東京・西荻窪にあるササユリカフェで開催された、高坂希太郎さんのトークショー&サイン会に行ってきました。
高坂さんはジブリで作画監督を務めたアニメーターで、カフェの店主はジブリで動画チェックを務めた舘野仁美さん。今回のイベントは、舘野さんが進行役となって行なわれました。
高坂さんは、白ワインを片手に登場されました。トークショーは得意ではないそうですけど、興味深いアニメーションの話から、笑えるような話まで、楽しく話されていました。
進行役の舘野さんが、ほかでは聞けないような話に切り込んでくださったのが良かったです。最初の話題は、なんと愛犬のお話。高坂さんは、シャマルというボーダーコリーを飼っているそうです。そして、その犬が『若おかみは小学生!』のモブシーンに登場しているのだとか。
花の湯温泉駅の、ほんの数秒のシーン。これは、そうとう高坂さんのことを知っていないと気づけない豆知識ですね。
この犬は、ジブリが刊行するフリーペーパーの『熱風』の表紙や、『「ポニョ」はこうして生まれた』というドキュメンタリーにも映っているので、気になる人は確認してみてください。
そして、次に披露されたのは、高坂監督の奥さまとの馴れ初め話。なかなか、ほかでは聞けない話が続きます。
奥さまもアニメーターをしていて、最初の出会いは『火垂るの墓』だったそうです。そういうこともあって、ナコードは高畑勲監督にお願いしたのだとか。
『若おかみ』の話では、料理のシーンには力を入れていたと語ります。身体表現の一部として、リズムを取るように盛り付けなどするよう描いたそうです。ちなみに、このシーンを担当したのは、廣田俊輔さんのようです。
黒豆のペーストを溶き卵に落とすところの質感など、かなり難しいシーンが多かったけれど、ほんとうによくやってくれたと苦労をねぎらっていました。
いま、廣田さんは、新海誠監督の『天気の子』に参加しているそうです。こちらも、またずいぶん大変なようで、7月公開であるにもかかわらず、レイアウトを発注している段階なのだとか。果たして、公開が間に合うのでしょうか(笑)。
作中の印象的なシーンに、主人公おっこが神楽を踊るシーンがありますが、前半は久保まさひこさんが描いているそうですが、後半は複数人で描いていて、そのうち一人は河原奈緒子さんが担当したそうです。河原さんは『君の名は。』においても、巫女舞を描いていたらしく、神楽づいてますね。
前半部分の神楽は実写のビデオを見ながら描いたそうですが、後半はスケジュールがなくなっていくことを見越して、CGでモデリングしたものをラフに使用していたそうです。あの動きは、すべてCGが下地になっているわけですね。
それから、鯉のぼりのシーンについては、こちらはCGで表現されているのですけど、スタッフは作画で描きたがっていたのだとか。しかし、スケジュールが足りなくて、とても手描きはできなかったそうです。
他にもたくさん話されていましたけど、長くなってしまうのでこの辺で……。
トークショー終了後には、高坂監督のサイン会が行なわれ、サインを頂いて帰ってきました。
高坂希太郎監督、ササユリカフェの皆さん、ありがとうございました。
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