「TV ブロス」に掲載された押井守の『風立ちぬ』評を、やっと読みました。
発売日に買ってはいたんですけども、自分が映画を受け止め切れていないのに、押井評に引っ張られると別の映画になりそうなので、読まずにいました。
ところが、いざ読んでみたら、宮崎駿監督を昔から知っている友達ならではのもので、“宮さんってこんな人”っていう紹介に近い内容なのでした。



二郎は宮崎監督であり、限りなく自分の持っているものを正直に出している、と評価していますね。
旧友への愛と尊敬を感じます。ツンデレっぷりも、押井さんらしい。
押井さんは、宮崎駿監督を羨ましく思っている人なんじゃないかな。

簡単にまとめると以下のような内容を、押井さん独自の視点で解説しています。

 

宮さん自身が剥き出しの、自分だけのために作ったオレ・ジブリ

『風立ちぬ』について
・原作の主人公はブタなので、映画もヒロイン以外はブタだと思っていた。
・僕の知っている堀越二郎とは違う。宮さんのファンタジー。
・夢と現実があやふやなのは老人的。
・青春の衣をまとっているが、老人の宮さんが剥き出し。
・宮さんもついにパンツを降ろした。
・自分のために作っている。オトナ・ジブリじゃなくて、オレ・ジブリ。
・カストルプは、『魔の山』の主人公。
・臆面もなく趣味が出ていて官能を感じた。
・これまでの宮さんと官能の矛先が変わっている。
・矛盾がテーマのひとつ。
・(庵野秀明の声優)いいわけないじゃん。
・老アニメータの迫力が伝わった。
・正直でいい映画。近年のジブリ映画で抜きん出ている。誰にも真似できない。

宮崎駿監督について
・宮さんは薄幸の女性が好き。
・宮さんは、ゼロ戦よりユンカースのほうが好き。
・カプローニも宮さんは大好き。理由はユンカースと同じ、傍系だったから。
・宮さんは、自分が傍系の自負がある。
・宮さんは良識人っぽくふるまってるけど、兵器が好きで、女性が好き。あと職人も好き。
・職人のつもりで、宮さんがエプロンつけてるけど、僕たちから見たらレザーフェイス。
・一歩踏み出したか、踏み外したかは、これから決まる。
・褒めているわけじゃないんだ。でも、宮さん凄い。
・宮さんとトシちゃんがいなくなったら、世の中、寂しい。
・宮さんより長生きして葬式に出る。

TV Bros(テレビブロス) 関東版 2013年7月20日号

≫楽天で詳細を見る