となりのトトロ サツキとメイの家

『となりのトトロ』で冒頭に、草壁家が引っ越してくる和洋折衷の家。既に、経年劣化を感じさせる建物となっていて、先代に住んでいた人の生活感を感じさせます。
草壁家が引っ越す前は、いったいどのような人が住んでいた家なのでしょうか。



そこには、ちゃんと、宮崎駿監督の考えた設定が存在します。『となりのトトロ』ロマンアルバムのインタビューで語られたものです。

サツキとメイの家は、先代に住んでいた人が結核で亡くなってしまって、完成していない家という設定のもと描かれています。お父さんの草壁タツオさんが使用している、陽当たりの良い書斎は、結核患者が養成するための離れだったようです。

もしかすると、お母さんの草壁ヤス子さんが生活するのにも適していると思って、タツオさんはここに引っ越すことを決めたのかもしれませんね。

以下が、宮崎駿監督のインタビュー。

サツキとメイの家は未完成

宮崎:
ああいう日本家屋と洋間をつなげた家は、昔はよくあったんですよ、実は、あの家は半完成、全部出来上がってはいない家なんです。庭にしても、ちゃんとした庭を作ろうと思ってたんだけど、ちゃんと作らないうちに、家が用なしになってしまった……ようするに、病人が死んでしまった家なんです。

ぼくは、基本的にあの家は、病人を療養させるために建てた離れのある別荘だと思ってるんです。結核患者の人のために建てた離れなんですね。で、その人が死んでしまったので、そのまま用なしになって空いてた家なんです。

そう考えていた家なんです。離れが妙に日あたりがよさそうなのもこの設定のためですね。

サツキとメイの家は、自分たちの住みたい家

また、アートブックの「ジ・アート・オブ となりのトトロ」に掲載されている宮崎監督の覚書には、サツキとメイの家に関しては「自分たちの住みたい場所を作ろうと思った」とあります。
そして、その想いは、スタッフたちの間で達成されたといいます。制作時に、スタッフと一緒にラッシュを見る中で、皆、サツキやメイの動きをチェックするわけでもなく、家を見て「あそこに住みたい」という意見を持ったそうです。

『となりのトトロ』ロマンアルバム
宮崎駿監督からスタッフのインタビュー、ストーリーガイド、キャラクター設定などを掲載

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