『なつぞら』も第5週となり、なつは兄の咲太郎を探すために東京に行きます。
北海道編とは打って変わった人間模様と、これまで以上に濃いキャラの漫画的な人たちばかりが登場します。
それでは、第25話から第30話までの感想を簡単にですが書いてきます。
第25話『おもひでぽろぽろ』
第25話では、なつたちの演劇も終わり、泰樹おんじも無事に組合員と団結し、新たな生活が始まっていきます。
そんなときに、泰樹おんじは、なつに牧場を継いでほしいと言いました。バター工場を作りたいというおんじ。まんざらでもなさそうだけれども、返事に困るなつ。
このとき荷馬車に乗っていたなつは乾草にもたれるんですけど、その光景が『おもひでぽろぽろ』のトシオとタエ子が乾草に乗っかっているシーンとダブりました。
第26話「宮崎駿作品」
第26話では、なつが子供時代に一緒に過ごした佐々岡信哉が、東京から訊ねてきます。草原で再会する瞬間、風が吹く演出は宮崎駿作品っぽさがありました。
もちろん、そんな演出意図があるわけではなくて、こちらが勝手に感じているだけのことだと思います(笑)。
第27話「若き日の荒地の魔女とサリマン先生」
第27話で、なつと富士子は兄の咲太郎を探すため東京にやってきます。この回から、北海道編よりも漫画っぽいキャラクターの立った人たちが続々と登場します。
咲太郎を知っているという、新宿のベーカリー&カフェ「川村屋」のオーナー、マダム・前島光子の一癖ありそうなところは、『ハウルの動く城』の若き日の荒地の魔女か、サリマン先生といった感じでした。そして、クラブの歌手、煙カスミは『紅の豚』のジーナでしょうか。
ちなみに、このマダムは実在のパン屋「新宿 中村屋」の創業者・相馬黒光がモデルで、角筈屋書店の社長として登場した茂木一貞は、紀伊國屋書店の田辺茂一社長がモデルとなっているようです。
第28話「お母さん」
第28話で、なつと富士子が寝る間際に、布団を敷きながら話すシーンが印象的でした。気を使って生活しているなつに対して、富士子は楽にさせようと思い「おばさんだと思って利用したら良いのよ」というようなことを言ってしまい、それが逆になつを傷つけるというシーンがありました。
なつは普段から富士子のことを「お母さん」って呼んでいるんだから、そりゃそうでしょう! って思わなくもないですけど、このやりとりは温かさも感じられました。
第29話「ロック座と大黒屋」
第29話では、ついになつは咲太郎と再会を果たします。それは、浅草のストリップ劇場・六区館。浅草に実在するロック座をモデルにしているようです。
咲太郎は六区館でストリップの合間にタップダンスを披露しており、踊り子を見たい客からはブーイング。その中、なつは咲太郎に声をかけ、感動の再開をしました。これって、観客から見たらこういう演出の劇だと思うでしょうね(笑)。
再会後、なつと咲太郎たちは、大衆食堂で天丼を食べていたんですけど、あれは浅草の大黒屋がモデルと思われます。
第30話「ジオン軍」
第30話で、咲太郎は警察に捕まってしまいます。いかにも怪しい風体の浅草六区館の芸人・松井新平から譲り受けた腕時計を、咲太郎は質屋に持っていくと、それが盗品だったことがわかり、その場で身柄を拘束されたようです。
なつはそのことを知り落ち込みますが、咲太郎は盗みを働いたわけでも、私腹を肥やそうとしたわけでもありません。
自分の居場所としていたムーランルージュを買い戻そうとして、金貸から借金をしていたそのカネを返済するためだったのです。そして保証人になっていたのはマダムという事実が明かされます。
結果、その10万円はイカサマ野郎に持ち逃げされていますし、当時の10万円が大金とはいっても劇場を買い戻すことはできないでしょう。咲太郎もマダムも悪い人ではないことが、今回のエピソードで判明しました。むしろ、二人ともお人好しすぎたようです。
このときマダムが着ていた服装が、ナウシカっぽいという感想が多かったですけど、私はガンダムのジオン軍のほうが近いと思いました(笑)。
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