4月1日からNHKで放送される朝ドラ『なつぞら』のアニメーション編の出演者が発表されました。
本作は、アニメーターの小田部羊一さんが監修を務め、小田部さんの奥さまである奥山玲子さんをモデルとしたドラマです。製作発表時からアニメファンの間では話題となっていましたが、出演者の発表にその熱が上がっております。
『なつぞら』監修の小田部羊一さん
まず、小田部羊一さんのことを知らない人に説明しますと、アニメーションスタジオの東映動画でアニメーターとして活躍しました。宮崎駿さんの先輩にあたります。
小田部さんは1959年4月2日に東映動画へ入社。高畑勲さんは同期で、宮崎駿さんは1963年の入社なので4年後輩となります。
手がけた作品は、『わんぱく王子の大蛇退治』や『狼少年ケン』などテレビアニメーションの作品を始め、高畑勲監督作品『太陽の王子 ホルスの大冒険』では原画を務めています。
その他にも、高畑・宮崎コンビとの仕事は続き、『パンダコパンダ』では作画監督、『アルプスの少女ハイジ』では作監に加えてキャラクターデザインも手掛けています。
宮崎駿監督作品の『風の谷のナウシカ』には原画で参加し、物語終盤の王蟲の触手がナウシカを治療するシーンなどを描きました。『火垂るの墓』にもノンクレジットながら原画で参加しています。
『なつぞら』モデルの奥山玲子さん
そして、ドラマ『なつぞら』の主人公・奥原なつのモデルとなったのが、小田部さんの奥さま、奥山玲子さんです。奥山さんも東映動画出身のアニメーター。1958年に公開された、日本初のカラー長編アニメーション作品の『白蛇伝』に、動画として参加しています。宮崎駿さんは高校3年のときに本作を劇場鑑賞し、感動したことからアニメーションに興味を持つようになりました。公開当時は最先端のアニメーション作品でした。
その後、奥山さんは『わんぱく王子の大蛇退治』や、『太陽の王子ホルスの大冒険』などに原画で参加。高畑勲監督作品『母をたずねて三千里』では作画監督補を務め、『じゃりン子チエ』『火垂るの墓』では原画として参加しました。
監修の小田部羊一さん、モデルの奥山玲子さん、共に日本のアニメーション界を支えてこられました。
おそらく、朝ドラの『なつぞら』もアニメーション編では、『白蛇伝』制作の話から、『太陽の王子ホルスの大冒険』あたりまでを話のモデルとして描くんじゃないでしょうか。
東映動画を東洋動画ともじって、思ったよりも直球で攻めてきていますし。実際の人物をモデルにしているので、本当はああだった、こうだった、と言いたくなるかもしれませんけど、無粋なことは言わずにフィクションを楽しむというスタンスで挑みましょうね(笑)。
アニメーションを題材に、ドラマを作ってくれたことに感謝!
連続テレビ小説『なつぞら』アニメーションチーム
題字/タイトルバック:刈谷仁美
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション時代考証:小田部羊一
アニメーション制作:ササユリ、東映アニメーション
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