エキレビにて、「巨神兵東京に現わる」の監督補を務めた尾上克郎氏のインタビューが掲載されています。
実写版巨神兵が、文楽人形の手法を用いて撮影されたことについての特集です。
まるでCGのような巨神兵ですが、人形を動かしていたようです。
特撮に対する心意気を感じますね。



インタビューを、一部引用します。
全文は、エキレビでご覧ください。

文楽がなければ巨神兵はなかった「巨神兵東京に現わる」監督補・尾上克郎に聞く

文楽について簡単に説明すると、太夫(浄瑠璃〈物語〉を語る)、三味線(音楽を演奏する)、人形遣い(人形を使って演技する)の三位一体で成り立つ芸術で、江戸時代から続いていて、今や世界無形文化財にもなっている。
人形遣いは3人チーム制で、首と右手、左手、両足を、各自担当する。それによって細やかな動きが実現するのだが、この方法論が、巨神兵立体化のヒントになっていた。

(略)

――巨神兵の動きに、文楽の手法を採り入れたわけは?

尾上:
そもそもこの映画ではCG全盛のこのご時世に「CG一切禁止』という足枷を我々が自ら課してしまったことから始まります。
今夏開催された「特撮博物館」のための展示映像として企画されたもので、劇場公開の予定も当初は無かったと記憶してます。ミニチュア技術を始めとして、失われようとしているアナログ特撮の技術を後世に伝えること、特撮の面白さを改めて広く皆さんに知ってもらうこと、そして、もう一度アナログ特撮の技術を拾い集めて再構築して、次の時代に生かせるか試してみようという狙いもありました。なのでアナログ的手法ですべての映像を作り上げなければならないというルールがまずあったんですね。

(略)

巨神兵の動かし方の大元のヒントは樋口監督が言い出したものです。ゴジラとかウルトラマンの怪獣みたいに人間を〈着ぐるみ〉に入れて動かすというやり方もありますが、この方法は、まず人を中に入れるという制限があるので、どうしてもデザイン的に妥協せざるを得ない所が出てきます。巨神兵はデザインが最も重要な要素のひとつで、コレに関して妥協することが許されなかったのです。
そこで、樋口君といろいろ相談の末、巨神兵を外部から人が操作する文楽的手法に所に目をつけたわけです。