宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』の公開まで一ヶ月を切りました。
昨年12月にポスターと公開日が発表されてから半年。その後、追加情報は一切なく、ほぼ無風に近い状態で公開日を迎えようとしています。
通常であれば、公開2、3ヵ月前あたりから前売り券・ムビチケが発売開始されるものでしょうけど、現在のところ発売情報はなし。
これまでスタジオジブリ作品で行っていた大宣伝をやめて、”宣伝をしない宣伝”にシフトした『君たちはどう生きるか』。
特報もなし、予告編もなし、試写会もなしという、前代未聞の公開となります。
ほとんど情報が出てこないので限られていますが、これまでに出ている『君たちはどう生きるか』情報をまとめていきます。
復帰の流れ
宮崎駿監督は、2013年公開の『風立ちぬ』を最後に、長編制作からの引退を発表しました。同年9月6日には引退会見を開き、大きなニュースにもなっています。
しかし、2016年11月13日にNHKで放送されたドキュメンタリー『終わらない人 宮崎駿』で、長編作品の企画を用意していることが明かされました。
2016年11月に開催された「クリエイターズパーティー vol.17」の鈴木敏夫さんの講演会にて、「100億円の自主映画を作りたい」と発言。翌年 2017年2月24日、「Oscar Week 2017」において鈴木さんは、宮崎監督が長編映画の制作に復帰したことを正式に発表しました。
同年5月19日、新作のスタッフをジブリの公式サイトで募集開始。10月28日には、早稲田大学で宮崎駿監督と半藤一利さんの対談が行われ、新作のタイトルが『君たちはどう生きるか』と明かされています。
吉野源三郎の同名小説からタイトルを拝借していますが、原作とはしていないことも公表されています。
そして、2022年12月13日に、本作が2023年7月14日に公開されることと、ポスターが発表されました。ビジュアルが登場したのは、このときが初めてです。これ以後、新たなビジュアルは公開されていません。
— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) December 13, 2022
上映時間
かねてから鈴木さんは、メディアのインタビューに対して1ヶ月に1分のペースで制作していると話していました。
そのため、制作期間(2017年5月~2023年7月)を計算すると、1時間程度の作品になるのではないかと予想していましたが、後のインタビューで制作スピードが上がり2時間程度の作品であることが明かされています。オープニング、エンディングを含め、約125分と言われています。
作画監督は本田雄
作画監督に本田雄さんが起用されたことは、ジブリのフリーぺーパー『熱風』の「野中くん発 ジブリだより」2019年2月号にて判明。本田さんは、『シン・エヴァンゲリオン 劇場版』の総作画監督を務めることが決まっていましたが、庵野秀明監督と鈴木さんの話し合いの結果、スタジオジブリへと移ります。
制作に先立ち、宮崎駿監督が自らカラーに赴き、「核となる人材を貸してくれ」と頼んだとも言われています。
『シン・エヴァ』制作直前のカラーから、本田さんを引き抜く際に鈴木さんは、庵野監督から「プロ野球のシーズンが始まるときに、4番打者をトレードでよこせと。そんなことありますか?」と言われたといいます。結果的に、本人の意思次第という話になり、本田さんが宮崎監督の新作を選んだことで、スタジオジブリへ貸与されることになりました。
2023年現在の本田さんは、スタジオジブリ所属となっています。
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