ベルリン国際映画祭 金熊賞

宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』は、2002年2月17日に第52回ベルリン国際映画祭で、最高賞の「金熊賞(Goldener Bär)」を受賞しました。
「金熊賞」という名は、熊がベルリン市の紋章であることにちなんでいて、同映画祭の最高賞であり作品賞にあたります。



『千と千尋の神隠し』は、アメリカのアカデミー賞も受賞していますが、あれはアニメーションのカテゴリー内での受賞でした。
ベルリン映画祭の金熊賞は、実写も含めたすべての映画の中の最高賞にあたるため、実質的にアニメーションのステータスが世界的にみても上がった瞬間でもありました。快挙と言っていいような受賞でした。

このときから、今年で20年という時が流れていますが、実はアニメーション作品の受賞は、未だ『千と千尋の神隠し』以外にありません。

宮崎駿監督がアニメーション界にもたらした功績は数知れずありますが、金熊賞の受賞は世界的にアニメーションの地位を向上させる偉業だったと思います。

「ベルリン国際映画祭」日本映画の受賞

今井正監督『純愛物語(1958)』 銀熊賞 (監督賞) 受賞
黒澤明監督『隠し砦の三悪人(1959)』 銀熊賞 (監督賞) 受賞
今井正監督『武士道残酷物語(1963)』 金熊賞 受賞
今村昌平監督『にっぽん昆虫記(1963)』 左幸子が銀熊賞 (女優賞) 受賞
熊井啓監督『サンダカン八番娼館 望郷(1975)』 田中絹代が銀熊賞 (女優賞) 受賞
柳川武夫監督『彫る 棟方志功の世界(1976)』 短編部門(金熊賞) 受賞
篠田正浩監督『鑓の権三(1986)』 銀熊賞 (芸術貢献賞) 受賞
熊井啓監督『海と毒薬(1986)』 銀熊賞 (審査員特別賞) 受賞
緒方明監督『独立少年合唱団(2000)』 アルフレッド・バウアー賞 受賞
東陽一監督『絵の中のぼくの村(2001)』 特別個人貢献賞 受賞
宮崎駿監督『千と千尋の神隠し(2002)』 金熊賞 受賞
熊坂出監督『パーク アンド ラブホテル(2008)』 最優秀新人作品賞 受賞
若松孝二監督『キャタピラー(2010)』 寺島しのぶが銀熊賞 (女優賞) 受賞
和田淳監督『グレートラビット(2012)』 短編部門(銀熊賞) 受賞
山田洋次監督『小さいおうち(2014)』 黒木華が銀熊賞 (女優賞) 受賞
濱口竜介監督『偶然と想像(2021)』 銀熊賞 (審査員グランプリ) 受賞