バルス祭り

宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』と『魔女の宅急便』が、今月2週連続で放送されることに伴い、テレビ放送のたびに“バルス祭り”と呼ばれる現象が、TwitterをはじめとするSNSで起きていることについて、鈴木敏夫プロデューサーがコメントを寄せています。



同じ時間に同じものを見る、テレビの役割は大きい

今回の『天空の城ラピュタ』放送時には、SNSを埋め尽くす滅びの言葉「バルス」が何時何分何秒に登場するのかを予想する事前企画も行なわれます。

その滅びの言葉で埋め尽くされる“バルス祭り”と呼ばれる現象がSNSで盛り上がりを見せていることについて、鈴木プロデューサーが言及しました。

鈴木:
「バルス祭り」って誰が始めたんですかね。「金曜ロードSHOW!」ですか?(笑)誰かがきっかけをつくったと思うんですよね。やっぱり誰か最初に言う人がいて、それを支持する人がいた。僕、これってやっぱりテレビの力が大きいと思うんですよ。同じ時間に同じものを見る…ってすごく大きい。その「バルス」っていう言葉が、だいたい何時何分に出てくるっていうのは事前に皆さん分かってるわけじゃないですか。そうすると、年末のカウントダウン、そういうものに似てますよね。だからバルスの瞬間を皆で共有しようってことでしょ? それはすごくよく分かります。だから誰が言い出したのか、そして誰が広げたのかは本当に分かりませんけれど、これはテレビ(の果たした役割)が大きかったんじゃないですかね。やっぱり皆さんが個々にね、映画館で、そしてビデオで見たって、そういう現象は起こらないわけだから。

宮崎駿は「バルス祭り」を知らない

鈴木:
僕は好きですよ。僕、お祭り好きなんで(笑)でも、このことをたぶん知らないのは、たった1人世の中にいますね。このバルスがね、これだけ世間で評判になっているのを知らないのは……誰であろう、宮崎駿ですよね(笑)。僕も本人に言ってないし、周りの人たちもね……僕、言わないようにしているんです。

僕は自分では(バルスを)つぶやくことはしないけれど、一度、ニコニコかな? そういう生放送で、立ち会ったことがあるんですよ。そうすると、ああいうときは一種、ある興奮が生まれますよね、それはすごく、僕も楽しいです。

現実原則ばかりに縛られるとつまらない

また、今回の放送で、ジブリ作品に出会う子供たちに向けてコメントを寄せています。

鈴木:
大人向きの言い方になってしまうかもしれないけど、やっぱり世の中って現実だけじゃない、理想とか夢とかってあるわけで、現実以外の何かがあるんだってことを(子供たちに)知ってもらえればと思います。現実原則ばっかにしばられたら、人間ってつまらないと思うんですよ。
そうすると、宮崎駿っていう人はね……もう少し現実に縛られてほしいんですけれど(笑)。