先日開催されたアニー賞にて、久石譲さんに「ウィンザー・マッケイ賞」が贈られました。
同賞は、アニメーションに対し顕著な貢献を行ったことが認められた個人に授与されます。
久石さんが宮﨑駿作品に携わって40年。長きに亘るアニメーション作品への貢献が称えられました。
久石さんは日本でコンサートの仕事が入っていたため、授賞式にはスタジオジブリの西岡純一さんが代理で出席し、スピーチを行いました。
久石さんはビデオメッセージでコメントを寄せています。
西岡:
アルフレッド・ヒッチコックとバーナードハーマー。それから、スティーブン・スピルバーグとジョン・ウィリアムス。そして、ウォルト・ディズニーといえばシャーマン兄弟。優れた映画監督というのは、優れた作曲家とコンビを組んで、数々の傑作を生みだしてきました。宮﨑駿においても例外ではありません。それが、久石譲さんです。
宮﨑にとって人生最大の出会いというのは、1983年のことでした。もちろん、久石さんに会ったことです。
久石さんは作曲家として、これまでジブリ作品以外の実写やアニメーションの音楽も含めると、100本以上の映画を手掛けているんですけども、特に宮﨑駿監督との仕事というのは、最も刺激的でお互いを高め合う真剣勝負だと語っています。
残念ながら、今日は久石さんはこの会場に来ることができなかったんです。その理由を説明しますと、一年以上前に決まっていたクラシック音楽の指揮の仕事があったためなんです。というのも、これもキャンセルできない仕事なんですけども、先日世界的に知られた日本人の指揮者である、小澤征爾がこの世を去りましたが、彼が創立したオーケストラが新日本フィルハーモニーというんですけど、この仕事がちょうど金曜日と土曜日に行われていて、久石さんは小澤さんのために、特別な演奏曲も行っていたときいています。
久石さんの仕事というのは、映画音楽に留まっていないんですね。ミニマルミュージックの作曲家であって、クラシック音楽の指揮者としても活躍しており、日々世界中を駆け回る多忙な毎日なんです。久石さんは、「音楽に国境はない」と言っていましたが、彼の音楽を待っている人は世界中にいるんです。今夜、私が尊敬する音楽家であり、スタジオジブリにとっても最も大切なパートナーである、久石さんがこの賞を受賞できて、ほんとうに嬉しく思っています。最後に、ハリウッドの皆さんと、そのメンバーの皆さんに感謝をささげたいと思います。ありがとう。
久石:
今回、アニー賞というのを頂いて、ほんとうにありがとうございます。
音楽はアニメーションあるいは映画にとって、とても重要なパートを占めているとぼくは思っています。それが認められたことが、ほんとうに嬉しく思います。
映画はいろんな人たちが協力し合ってつくる、そしてみんなの力が結集してできるものです。そこでやってきた自分を評価していただいたことに、心から感謝します。ありがとうございました。