明日、7月2日に開幕する「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」に、画家・奈良美智さんのドローイング作品「鳥への挨拶」全75点のうち24点が出品されることが明かされました。
「高畑勲展」は、高畑勲監督の業績を総覧する初の回顧展となり、7月2日から10月6日まで東京国立近代美術館で開催されます。
高畑さんは、フランスの詩人 ジャック・プレヴェールの詩画集の翻訳・編集を手がけることになった際、奈良さんに共作を呼びかけた経緯があります。プレヴェールの詩のイメージと奈良さんの描く子どもに共通する想いを見出したといいます。
2006年には、高畑さんが選んだ絵に奈良さんの描き下ろしも加えて詩画集『鳥への挨拶』が発売されており、そのあとがきに高畑さんは「奈良さんの子どもたちが、ただ子どもだけを意味しないのと同様、夜の街の暗がりで抱き合う恋人たちも、天井桟敷の立見席で泣いて笑って拍手を送る観客も、プレヴェールによればみんな子どもたちなのです」と思いをつづっています。
詩画集『鳥への挨拶』制作の際、奈良は出力された色校正用の紙の上から新たにドローイングを加え、詩画集とは異なるオリジナルの「鳥への挨拶」もつくりあげています。
今回展示されるのはこのオリジナル作品。この作品は海外のコレクターが所蔵しているため、実物を見る貴重な機会となります。
ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶 フランスの詩人・プレヴェールの詩を、長年敬愛し続けた高畑勲監督自らが訳し、同じく共感した奈良美智氏が書き下ろしや単行本初出のイラストを添えた詩画集。 |