宮崎駿アカデミー賞を主催する米芸術科学アカデミーが現地時間28日、宮崎駿監督にアカデミー賞名誉賞を授与することを発表しました。映画界への長年の貢献をたたえる同賞を日本人が受賞するのは1990年の黒沢明監督以来24年ぶり2人目。これを受け、宮崎監督は「リタイアした人間に賞なんかいらないのにと本当はおもっています。でも光栄です。名誉なことだと思います」と喜びのコメントを寄せた。



授賞式は11月8日にハリウッドで行われる予定で、宮崎監督は「アメリカにもらいに行かねばなりません。鈴木さんとラセター氏がこわいので、いってまいります」とスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーと、ディズニー/ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーで親交のあるジョン・ラセター監督の名前を挙げ、出席の意向を示している。

宮崎監督は2003年に「千と千尋の神隠し」でアカデミー賞長編アニメ賞を受賞。06年の「ハウルの動く城」に続き、今年のアカデミー賞でも「風立ちぬ」で3度目のノミネートを果たした。

今年は宮崎監督のほか、フランス人脚本家ジャン=クロード・カリエール、アイルランド人女優モーリン・オハラが名誉賞を受賞。人道的な貢献をした映画人をたたえるジーン・ハーショルト友愛賞には、米俳優ハリー・ベラフォンテが選ばれた。

名誉賞は1929年のアカデミー賞創設時に「特別賞」の名称でスタート。その後、名称や性格が変化しており、特定の外国語映画作品を表彰していた50年代に黒沢明監督の「羅生門」、衣笠貞之助監督の「地獄門」、稲垣浩監督の「宮本武蔵」が受賞した。現在は生涯の功績に対して個人を表彰している。