米林宏昌米林宏昌監督が、東京・三鷹市芸術文化センターで開催された『三鷹の森アニメフェスタ2015』の講演会に出席し、「ジブリがどうなるかわからないけれど、また作りたいと思っています。アイデアもあって、考え始めたところ」と新作の構想を明かしました。次回作については西村義明プロデューサーと話しているそうです。



米林監督は「『マーニー』は“静”の作品で、それはそれでやりがいを味わえたのですが、『(崖の上の)ポニョ』といった(動きのある)作品はすごく好きで、アニメーターとしてはそっちで頑張ってきたものですから、そういうのもやりたいなと思っています」と意図を説明。公開予定日については、監督第1作『借りぐらしのアリエッティ』から第2作『マーニー』まで4年の間隔が空いたことに触れ、「4年もたつと人は忘れるんですよね。誰だっけあの人、みたいな感じで(笑)。だから、なるべく高畑勲さんのように、時間を開けないようにしたいと思います。今の段階ではあまり話せないんですけれども、『マーニー』とは真逆のものを」とコメント。

『思い出のマーニー』の上映に続けて行われた講演会は定員250席が満席になる盛況ぶり。観客からの質問を受け付けた米林監督は、吾朗監督との関係について聞かれると「ライバル……というふうに思ったことはないですね。それは悪い意味じゃないですよ。仲間みたいな感じ。吾朗さんの作品にはスタッフの一員として関わっていますし」と回答。

子どもの観客から「どうやってアニメ映画を作っているのですか?」という素朴で壮大な質問を受けた米林監督は「何もないゼロから始めて、人物や風景はどうしようかと手探りで絵を描きながら、いろんな人のアイデアを積み重ねて、頭の中にボヤっと描いていたものが徐々に形になっていく」と説明。

続けて「最初は一人で考え始めて、『マーニー』の場合は最終的に300人くらいの人が関わってやっと出来上がる。100分くらいの映画を2年くらいかけて作ります。ものすごい労力ですが、紙の上の人物に色がついて、動き出して、声が聞こえてくるのを追っていけるのが面白いし、楽しい」とアニメーション作りへの思い入れたっぷりに答えていた。

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イギリス児童文学の名作『思い出のマーニー』を米林宏昌監督が映像化。
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