ジブリ美術館 企画展示「食べるを描く。」ジブリ美術館の新企画展示「食べるを描く。」の内覧会が5月26日に行われ、本展で企画・監修を務めた宮崎吾朗さんが挨拶しました。宮崎駿監督の新作長編アニメーション映画制作のためのスタッフ募集については、吾朗さんは語ることはありませんでした。



ジブリ美術館の館長である中島清文さんは「毛虫のボロはどうなってるとか、宮崎駿監督の新作について何か聞いて帰りたいと思ってらっしゃるかもしれませんがご免なさい、何も情報がありません。かわりに企画展示のほうを、存分にご取材ください」とコメント。新作については、何も語られませんでした。

新企画展示では、ジブリ作品に登場する「ジブリ飯」とも呼ばれる、数々の「食事シーン」をピックアップして、アニメーションの原画や制作資料とともに、そのシーンがどのように描かれているのかをひも解きながら紹介します。

企画・監修を務めた吾朗さんは「簡単なことではなかったですが、宮崎駿作品はどうしてご飯がおいしそうに見えるのか、を知ってもらうのは、アニメーション技術そのものを知ってもらうことだと考えた」と企画意図を説明。「要はおいしそうに見せているわけで、作画はもちろん、登場人物にどんな文脈で、どう食べさせるか。すべての要素が合わさって、おいしそうに見えるんです」とアニメーション技法に基づいた食事シーンの裏側を説明しました。

『ハウルの動く城』に登場するベーコンエッグについて、「宮崎駿は家では、必ずベーコンエッグを作る」と興味深いエピソードも紹介。「ゆで卵やオムレツでは、調理の仕方など好き嫌いも分かれますし、白と黄色のシンプルな配色が、映像の中ではすごく際立つ」とベーコンエッグ登場の理由を明かしました。

今回の企画にあたり、候補展示が8つほどあったことを明かし、その中で「中島館長が『一番客が呼べる』と選んだのが今回の『食』に関する展示です」と語りました。また、「個人的には『押井守展』とか面白そう」だと考えていたと告白。まさかの巨匠の名前に、会場を沸かせました。