高畑勲監督のエッセイ集『アニメーション、折にふれて』が12月6日に発売されました。
スタジオジブリが発行する小冊子『熱風』などに掲載されたエッセイや対談、インタビューを中心に編集されています。
高畑勲監督のアニメーション制作への思い、映画づくりを支えてきた仲間たち、日本文化や日本語について、さらには、知られざる監督の日常の姿など,高畑監督の映画づくりから人間像にまで幅広く迫る一冊です。
目次
1 日本の文化とその風景
加藤周一『日本 その心とかたち』をめぐって
闇と光
暮らしのそばに農村景観を維持する
2 日本語を話すとき
蝶々談義
この世を力いっぱい生きたかった宮澤賢治
日本語の音韻――アニメーション映画制作から見えてくるもの
3 子どもという存在
石井桃子さんから学んだこと〈対談・宮崎駿〉――子どもがほんとうに喜ぶ作品をつくる
子どもの「尊厳」をとらえた稀有な画家,いわさきちひろ
4 一緒にやってきた仲間たち
タエ子の顔のいわゆる「しわ」について
わたしの知る井岡さんの画業
われらが同志,小田部羊一
寺田寅彦に見せたかった
里山に開かれた窓
『火垂るの墓』から,はや二十四年
追悼・氏家齊一郎
山本二三さんの美術
5 漫画映画のつくりかた
今村太平から得たもの
レイアウトはアニメーション映画制作のキイ・ポイント
脳裏のイメージと映像のちがいについて
6 尊敬する,刺激しあう
ジョン・ラセターとピクサーを讃える
戦争・国境・民族・民俗――バックさんの自伝を読んで
日本文化への警鐘と愛
水に落ちたハリネズミはなぜあがかないのか
「思い残し切符」
『キリクと魔女』の世界を語る
7 こんな映画をつくってきた
見習い時代に目撃し,学んだこと
心に残る仕事,『ハイジ』
『赤毛のアン』はユーモア小説
TVシリーズ「世界名作劇場」のこと
8 伝えたい,このこと
戦争とアニメ映画
後輩の皆さんへのお願い
9 監督,ある日の姿,ある日の考え
『竹取物語』とは何か
ゴキブリ体操
アニメ映画とフランス
老人向き
ホトトギスの謎
お国自慢
禁煙レポート
あとがきにかえて
アニメーション、折りにふれて スタジオジブリの内と外、こんな仲間たちと映画をつくってきた。ここにこだわって考えてきた。新作『かぐや姫の物語』はこうしてできた。これだけは言っておきたい、だからエッセイ集。日本の漫画映画の来し方を振り返りつつ、その映画づくりにかける思いから、知られざる日ごろの姿まで、高畑監督の人間像に幅広く迫る一冊。 |