崖の上のポニョ ロマンアルバム

宮崎駿監督作品で、もっとも子ども向けに作られている『崖の上のポニョ』。背景美術も絵本のようなタッチで描かれ、不思議な童話のようなお話です。
しかし、そこは、宮崎作品。大人でも楽しめるような奥深さがあり、魔法の設定や、過去作品とのつながりなどを考察するファンも少なくありません。



そんな『崖の上のポニョ』を読み解くのに必要なのが、ガイドブックの決定版ロマンアルバムです。
例によって例のごとく、簡単にご紹介していきます。

フィルムストーリー

崖の上のポニョ ロマンアルバム
映画本編の画像を、大量に使用したフィルムストーリーです。
ロマンアルバムでは、毎回ここに力を入れているようで、64ページのボリュームで掲載されています。
物語を簡単にふり返りたいときなどに便利です。

キャラクター紹介

崖の上のポニョ ロマンアルバム
キャラクター紹介では、ポニョと宗介の主役はもちろん、脇役で登場した「ひまわり園」のクミコちゃんも掲載されている。
クミコちゃんは、宗介のことが好きらしく、ちょっかいを出しているそうです。

作品解説

崖の上のポニョ ロマンアルバム
「大人のための『ポニョ』鑑賞法」と題し、宮崎駿監督の思想から『崖の上のポニョ』で描いたことを分析しています。

宗介の住む町 推定図

崖の上のポニョ ロマンアルバム
ロマンアルバム編集部が作った、『崖の上のポニョ』の舞台のマップが掲載されています。
公式の資料があるわけではないので、宮崎駿監督が描いたイメージボードや絵コンテを基に、推測で地図に起したものです。
舞台のモデルとなった鞆の浦と、似た地形になっています。

アニメーション解説

崖の上のポニョ ロマンアルバム
「アニメーションの魅力を楽しむ」と題し、ポニョの変身シーンや、波の上を走るアクションシーンなどを、フィルムをコマ送りで紹介しています。個人的に、これは原画で紹介したほうが喜ばれるように思います。

ヒロイン・少年の魅力を楽しむ

崖の上のポニョ ロマンアルバム
本作に登場する、ポニョ・グランマンマーレ・リサの3人と、宗介・フジモト、耕一を紹介。このほかにも、「生活描写の魅力を楽しむ」と題して、ジブリ作品に欠かせない食事シーンの解説も掲載されています。

キーワード事典

崖の上のポニョ ロマンアルバム
ロマンアルバムでは恒例となっている用語解説集です。作品用語が五十音順に掲載されています。細かな豆知識があるので、読んでいて楽しいです。

スタッフ・インタビュー

崖の上のポニョ ロマンアルバム
インタビュー記事は、ガイドブックの中でもロマンアルバムは、かなりのボリュームを割いていると思います。
鈴木敏夫プロデューサーのインタビューが3ページ、作画監督の近藤勝也さんが2ページ、今や監督となった米林宏昌さんも原画スタッフとして参加していて、インタビューが掲載されています。

インタビュー
プロデューサー:鈴木敏夫
作画監督:近藤勝也
作画監督補:高坂希太郎、賀川愛、稲村武志、山下明彦
原画:山森英司、米林宏昌、小西賢一
美術監督:吉田昇
美術監督補:田中直哉、春日井直美、大森崇
動画チェック:舘野仁美、中込利恵。動画:大村まゆみ、アレキサンドラ・ワエラウフ、鈴木まり子、大橋実
仕上:熊倉茜、森奈緒美
映像演出:奥井敦
映像部:薮田順二、三好紀彦、糸川敬子
制作:渡邊宏行、古城環、伊藤郷平
監督助手:居村健治、清川良介
宣伝:西岡純一、細川朋子、伊平容子、小林一美

近藤勝也 キャラクターボード集

崖の上のポニョ ロマンアルバム
宮崎駿監督の描いたイメージボードを基に、作画監督を務めた近藤勝也さんがキャラクターを掴むために描いた、ポニョや宗介など、主要キャラのラフ画が掲載されています。

キャラクター設定資料

崖の上のポニョ ロマンアルバム
シンプルな線でまとめられた、キャラクターたちの設定画です。
スタッフのために描かれた設定資料なので、キャラクターがいろいろな角度から描かれています。
当然ですけど、アニメーションのキャラクター設定って大変ですね。髪型から服装から、角度を変えるとどう見えるかなど、すべてにおいて事細かに決めていかなきゃいけません。

レイアウト・原画コレクション

崖の上のポニョ ロマンアルバム
アニメーターによる原画やレイアウトが、9ページに亘り9つのシーンが紹介されています。

保育園で茂みに顔を突っ込む宗介とクミコを、賀川愛さんが担当。
庭の柵にバケツをひっかける宗介を、松尾真理子さん。蟹の大群のシーンは、山田憲一さん。ラーメンを食べながら寝るポニョを武内宣之さん。波の上を走るポニョを二木真希子さん、これは有名ですね。リサを必死に探す宗介を山森英司さん。グランマンマーレが船底を通過して、ゆれ動く船のシーンは、米林宏昌さん。水没した町で、若い夫婦に出会ったポニョと宗介のシーンは、栗田務さん。物語終盤で、ポニョが人間になることを認められ、トキさんが抱きついてくるシーンは本田雄さんが担当しています。

公開までのみちのり

崖の上のポニョ ロマンアルバム
『崖の上のポニョ』が公開されるまでの行程を、2006年の夏のロケハンから、2008年7月まで紹介しています。役者のアフレコの日程まで、事細かに載っています。

宮崎駿 イメージボード集

崖の上のポニョ ロマンアルバム
宮崎駿監督が描いたイメージボードが、すこしですけど載っています。
わりと映画に活かされたものが多く掲載されています。
宮崎さんと近藤さんが映画いていたイメージボードでわかるんですけど、当初はポニョと宗介が再会するシーンは、玄関先まで訪ねてくることを考えていたようです。

吉田昇 美術ボード集

崖の上のポニョ ロマンアルバム
美術監督を務めた吉田昇さんの美術ボードも、すこしですけど掲載されています。
キャラクターが乗っていないので、絵本のような柔らかなタッチが際立っています。
これらの美術ボードやイメージボードはすこしだけなので、たくさん見たい方は『ジ・アート・オブ 崖の上のポニョ』がオススメです。

宮崎駿『崖の上のポニョ』を語る

崖の上のポニョ ロマンアルバム
主題歌発表記者会見と、公開初日舞台挨拶による宮崎駿監督のインタビューが掲載されています。
ロマンアルバム単独による宮崎監督のインタビューがないのは残念ですけど、『ハウルの動く城』から受け付けなくなったようです。

『崖の上のポニョ』ロマンアルバム
ストーリーガイド、キャラクターファイル、キーワード辞典、スタッフインタビュー、設定資料、原画コレクションなど、豊富なカラー場面カットや関連資料満載の一冊。

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