もののけ姫

本日の放送に合わせて、『もののけ姫』の豆知識をまとめてみました。
『もののけ姫』はたくさん語られている作品なので、既出のものが多いかもしれません。
主に、ロマンアルバムと、『もののけ姫』のドキュメンタリから仕入れた情報です。



 

山犬のモロと乙事主はいい仲だった

もののけ姫 モロと乙事主

モロを演じる美輪明宏さんのアフレコ時、宮崎駿監督はモロの声に女を匂わせるために、「モロと乙事主は、かつていい仲になったことがある。しかし、100年前に別れている」と指示を出している。

宮崎:
乙事主と話をするシーンを録っていたとき、どうも何か違うな、あ、そうか…と思って、“二人は昔、いい仲だったんです”と言ったんです。その途端、声が変わったんですね。“女”になった(笑)。これはおもしろかったですね。

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『もののけ姫』ロマンアルバム
 

「サン」の名前は「三の姫」が由来

もののけ姫 三の姫

サンの名前は、1983年に発売された宮崎監督が描いた絵本『もののけ姫』に登場した「三の姫」(三番目の姫)が由来とされている。

絵本『もののけ姫』

 

シシ神の森のモデルは、屋久島・白谷雲水峡

『もののけ姫』屋久島ロケハン

1995年5月に、スタジオジブリのメインスタッフは屋久島にロケハンに出かけている。
しかし、このロケハンは具体的なシーンを想定したものではなかった。
『もののけ姫』のメインの舞台は、人の入らない太古の森であり、照葉樹林である。それをスタッフたちが、自分の目で見て、肌で感じることが、その後の映画作りに大きな影響を及ぼすことが狙いであった。

『もののけ姫』ロマンアルバム

 

糸井重里のキャッチコピーが22本ボツになった

『もののけ姫』キャッチコピー

採用された「生きろ。」のほかに以下のコピーがある。
「おそろしいか。愛しいか。」
「おまえには、オレがいる。」
「惚れたぞ。」
「ひたむきとけなげのスペクタクル。」
「だいじなものは、ありますか。」
「昔々は、今の今。」
「おまえは、まぶしい。」
「死ぬのと、生きるの、どっちが好きだ。」
「死ぬなっ。」
「それでもいい。私と共に生きてくれ。」
「ハッピー?」
「悪からでも善からでも、おまえを守る!」
「弓を誰にひく!?」
「あなたは 何を守る!?」
「なぜ、俺は生まれてきた。」
「LIFE IS LIFE!」
「化けものだらけ。」
「神々は、なつかない。」
「森には、おそろしい神々がいる。」
「暴と愛の嵐」
「人間がいなきゃよかったのか」
「わからなくっても、生きろ!」

 

『もののけ姫』の全米公開は、メジャーリーガー野茂英雄の活躍が切欠

もののけ姫

当時、メジャーリーグで活躍する野茂英雄の活躍が、日本で大騒ぎになっていたことをヒントに、鈴木敏夫プロデューサーが全米公開を発案。このときに、ディズニーとの提携が成された。
ジブリ作品で全米公開されたのは『もののけ姫』が初めて。

『もののけ姫』の全米公開は、メジャーリーガー野茂英雄の活躍が切欠?

 

ジブリ最後のセル画アニメ

もののけ姫 セル画

デジタル技術の発展に伴い、ジブリ最後のセル画を使用した作品となった。
『もののけ姫』以降は、すべてデジタルペイントとなっている。
なお、CGを本格的に採用したのも、『もののけ姫』が初となる。

 

『もののけ姫』のタイトルは『アシタカ聶記(せっき)』に変更するつもりだった

『もののけ姫』製作中に、宮崎監督は「これは、アシタカの物語である」と思い至り、タイトルを『アシタカ聶記』に変更することを鈴木プロデューサーに相談。しかし、『もののけ姫』のほうが、タイトルとして優れていることを確信していた鈴木プロデューサーは、宮崎監督に無断で『もののけ姫』の特報映像を放映し、タイトルを従来通りに押し通した。

 

コダマはトトロになる

もののけ姫 コダマ

ラストシーンで一匹だけ登場するコダマは、後のトトロに変化するという裏設定がある。
『「もののけ姫」はこうして生まれた。』のなかで、ラストシーンの打ち合わせで宮崎監督が裏設定を語っている。

『もののけ姫』のコダマは、そのうちトトロに変化する
 

エボシ御前は現代人として描かれている

もののけ姫 エボシ御前

宮崎駿監督と、原画の遠藤正明氏の打ち合わせで、「(エボシは)現代人ですから。魂の救済を求めていない」と語っている。
また、エボシ御前の設定資料でもエボシが現代人であることが記されている。

エボシ御前 バックヒストリー
辛苦の過去から抜け出した女性。海外に売られ、倭寇の頭目の妻となる。そこで頭角を現していき、ついには頭目を殺して金品を持って故郷に戻ってきた。このとき海外(明)で最新式の武器「石火矢」を手に入れ、日本に持ち込んでいる。侍の支配から自由な、強大な自分の理想の国を作ろうと考えている。タタラ場に来る以前に、京都で天皇周辺の人物達と交流を作った。また、タタラ場を世俗とは「無縁」で暮らせる場所にしつつあった。タタラ場は革命家(エボシ)の聖域なのである。この映画で唯一、自然界にとっての悪魔であり、魂の救済を求めていない、つまり「近代人」である。

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エボシ御前の声優は、島本須美が代役要員だった

アフレコ前に、エボシ御前の声優を担当する田中裕子が「自信がない」と発言していたことから、代役として島本須美が候補になっていた。島本版エボシ御前のオーディションテープも録ってあったが、予定通り田中裕子が見事にエボシを演じることになった。島本須美は本作で、おトキ役を演じている。

 

登場人物に、信州が由来の名前が多い

「乙事主」、「エボシ」、「甲六」の名前は、宮崎監督の別荘がある信州の地名が由来とされている。
信州で取れるキノコの名前に「ジコボウ」がある。