三鷹の森ジブリ美術館にて、11月23日に開幕した新企画展示『君たちはどう生きるか』展の第三部「背景美術編」を観てきました。
今回の企画展は、第一部は「イメージボード編」、第二部は「レイアウト編」、そしてラストとなる第三部が「背景美術編」となっています。
これまでのイメージボード編、レイアウト編ももちろん素晴らしかったのですが、宮﨑駿監督も「アニメーション映画の品格は背景美術で決まる」と発言している通り、作品の世界に入り込んだような没入感がありました。
キャラクターは描かれていませんけど、背景美術はシーンごとに縦長だったり横長だったり、斜めに描かれていたりしているので、脳内でカメラをパンさせたりスクロールさせたりしてしまいます。
なかでも印象的だったのは、眞人が部屋で弓矢を試し射ちするシーン。勢いよく飛んでいく矢のカットは、すべて背景美術によって描かれています。
全部で22枚の絵で表現されているそうですが、そのうち8枚が展示されていました。すべて展示してほしかったな~。そして、コナン展のときみたいにモニターを設置して、映像と見比べられたらなー、と思いました。
そして、見逃してはいけないのは、高屋法子さんが描いたハーモニーが展示されているところです。
背景美術は複製画ですが、こちらは実際に撮影で使用された現物が展示されています。ちなみに、ハーモニーというのは、透明なセルに背景画のタッチで描いたものです。『君たちはどう生きるか』では、壁からアオサギが出てくるシーンや、下の世界に登場する帆船群、黄金の門などで使用されました。
スタッフさんによると、さすがにハーモニーは複製が難しいので、実物を展示したとおっしゃっていました。
本展の予習として、事前にアート本の『THE ART OF 君たちはどう生きるか』を読んでおくと、より一層楽しめるかもしれません。
そして、展示を観た後に映画を鑑賞したら完璧ですね。
展示は来年の11月まで開催されていますが、5月に展示物を一部入れ替えて、「背景美術編 後期」が始まります。
ジブリ美術館の常設展示はと言いますと、今回の休館明けからクリスマス仕様になっておりました。
例年は12月から始まっていましたけど、今回は11月下旬に展示替えがあったことから、このタイミングになったようです。
夕暮れ時にはとても良い雰囲気になるので、夕方に観に行くのもオススメですよ!
三鷹の森ジブリ美術館『君たちはどう生きるか』展
第三部 背景美術編 前期
前期:2024年11月23日(土) ~2025年5月
後期:2025年5月~11月