これほどまでに情報を出さずに公開された映画はありませんでしたが、現在は資料的価値の高い書籍がどんどん出てきて、結果的に情報の多い作品になりつつある『君たちはどう生きるか』であります。
当初の露出を抑えに抑えまくった反動かのごとく、次々と制作スタッフによるインタビュー記事が集まっております。そこで、現在出ている『君たちはどう生きるか』関連書籍をまとめておきます。発行順のご紹介となります。
週刊文春 CINEMA 2023夏号
『君たちはどう生きるか』公開前に発売されたのが、こちら「週刊文春 CINEMA 2023夏号」です。
「鈴木敏夫がいま、新作について話せること。」と題して、鈴木敏夫プロデューサーのインタビューが掲載されています。公開前のインタビューなので、ネタバレは一切なし。
SWITCH Vol.41 No.8 特集 MISAMO
『君たちはどう生きるか』公開直後の7月20日に発売されたのが「SWITCH Vol.41 No.8」で、鈴木敏夫さんと池澤夏樹さんの対談が28ページに亘り掲載されています。公開直後の対談なので、こちらもネタバレはありません。
文藝春秋 2023年9月号
8月10日に発売されたのが、「文藝春秋2023年9月特別号」です。
こちらでは、作画監督の本田雄さんのインタビューの前編が掲載されました。
カラーに所属していた本田さんが、なぜスタジオジブリに移籍することになったのか、その経緯が語られています。けっこうヒリヒリする内容です。
『君たちはどう生きるか』パンフレット
パンフレットは、劇場公開から約一ヶ月経った、8月11日に発売されました。劇場公開と同時に発売されるのが通常ですが、一ヶ月間も待たされたことにファンは期待が高まっていました。しかし、なんと内容のほうは宮﨑駿監督による長編企画覚書が掲載されているだけで、その他は場面写真のみ。読み物があまりにもないため、物議を呼んだパンフレットです。
SWITCH Vol.41 No.9 特集 ジブリをめぐる冒険
パンフレットの発売から数日後の8月20日に発売されたのが、こちら「SWITCH Vol.41 No.9 特集 ジブリをめぐる冒険」です。先月号の「SWITCH」に続いて、ジブリ特集が組まれました。
本特集は大ボリュームで、鈴木さんと池澤さんの対談からはじまり、スタッフ・キャストインタビューもある充実具合。むしろ、こっちがパンフレットなのでは？と思わせる内容でした。
文藝春秋 2023年10月号
9月8日に発売された「文藝春秋 2023年10月号」では、先月号に続いて作画監督の本田雄さんのインタビュー後編が掲載されています。
本号では、本田さんの学生時代からアニメーターになるまでのエピソードが語られています。ガイナックスでの入社試験などの面白い話から、今敏さんや安彦良和さんとの興味深いエピソードもあります。
ジブリファンのみならず、アニメーションファンは必読です。
熱風 9号
スタジオジブリが発行するフリーペーパーの「熱風 9月号」では、『君たちはどう生きるか』特集が組まれました。
この特集では、主題歌を担当した米津玄師さんのロングインタビューが掲載されたため、米津ファンとジブリファンで「熱風」争奪戦となり、各地で品切れ状態となりました。
週刊文春 CINEMA 2023秋号
映画公開の約2か月後に発売された「週刊文春 CINEMA 2023秋号」では、鈴木敏夫プロデューサーのインタビューが掲載されています。
作品の内容をふり返るのとともに、制作時のエピソードなども語られています。興味深い話もありますが、収録内容は見開き2ページだけなので、大したボリュームではありません。
熱風 10号
「熱風 10号」では、『君たちはどう生きるか』特集の第2弾が組まれました。
本書では、音楽を担当した久石譲さんのロングインタビューが掲載され、制作にまつわる話がことこまかに語られています。必読です。
また、落合博満さんの『君たちはどう生きるか』評も掲載されました。
SWITCH Vol.41 No.11 特集 INI 11 SOULS in SEOUL
そして、特集「ジブリをめぐる冒険」の完結編となったのが、こちら「SWITCH Vol.41 No.11」です。
映画の公開から、三カ月が経った10月20日に発売されました。本号では、再び池澤夏樹さんが鈴木敏夫さんのもとに訪れ、対談が行われました。
『君たちはどう生きるか』公式ガイドブック
これまでにない展開で発売されたのが、こちらの『君たちはどう生きるか』公式ガイドブック。
ジブリ作品のガイドブックといったら、徳間書店のロマンアルバムと、角川書店のビジュアルガイドが定番化していましたけども、今回は東宝が発行するガイドブックが10月27日に登場しました。
全国の上映劇場と、ジブリ美術館、東宝のオンラインショップで販売されたもので、実質的には豪華版パンフレットといった感じでしょうか。
パンフレットではテキスト情報が省かれていたため、こちらではスタッフ・キャストインタビューがふんだんに掲載されています。
中でも、必読なのはアニメーター座談会でしょうか。
スタジオジブリ絵コンテ全集
11月1日に満を持して登場したのが、『君たちはどう生きるか』の絵コンテ全集。もはや説明の必要もなさそうですが、ジブリ以前の高畑・宮﨑作品からシリーズ化されている絵コンテ全集です。
宮﨑駿監督が描いた絵コンテが、そのまま収められています。映画との違いがわかったり、監督による注釈や、スタッフへの支持なども書き込まれているため、作品を読み解くためのキーとなります。
ジ・アート・オブ
例によって例のごとく、こちらも説明の必要がないでしょうか。ジブリ作品のイメージボードや美術ボード、スケッチなどが収められた、アートブックです。
実際に映画で使用された背景画だったり、作中のスナップ、レイアウト、キャラクター設定画などなど。
制作にあたり、宮﨑監督がイメージを膨らませるために描いたものも多数収録されています。
フィルムコミック 上巻
こちらは映画の場面写真で構成された、フィルムコミックです。上下巻で構成されていて、上巻が11月1日に発売されました。
映画では一瞬で流れてしまうものも、場面写真なのでじっくりと見ることができて、新たな発見があるかも？
個人的には、映画の内容を確認するのに重宝しています。
熱風 11月号
特集『君たちはどう生きるか』第3弾として登場したのが、「熱風 11月号」です。
本書ではメインスタッフである、本田雄さん、大平晋也さん、武重洋二さん、吉田昇さん、奥井敦さんのインタビューが掲載されました。
これがフリーペーパーで良いのかと心配になってしまうくらい、資料価値の高い内容となっています。
アニメージュ 2024年1月号
12月8日に発売された「アニメージュ 2024年1月号」では、作画監督の本田雄さんが描いた『君たちはどう生きるか』のキャラクター設定資料が掲載されています。
眞人を始めとした主要人物は、すべて収められています。ワラワラはありません。
徳間アニメ絵本
子ども向けの絵本として編集されたのがこちら、徳間アニメ絵本シリーズの『君たちはどう生きるか』です。
子どもにも読みやすいようルビをふった文章と大きな文字で構成されています。
フィルムコミック 下巻
上巻の発売から一か月半後の12月15日に発売されたのが、こちらの下巻。異世界に入った眞人が、青サギと冒険に出るところから始まって、エンディングまで掲載されています。
本作は、文春ジブリ文庫のシネマ・コミックが発売されていないので、漫画形式で読めるのは本書だけです。
