現在、安藤雅司監督のデビュー作『鹿の王 ユナと約束の旅』が劇場公開されています。
本作は、上橋菜穂子さんの同名小説が原作で、制作スタジオはProduction I.Gということで、スタジオジブリとは何の関係もないのですが、制作に携わっている方がジブリと縁の深い方ばかりです。
脚本を担当したのが、以前スタジオジブリで活躍した岸本卓さん。2005年にスタジオジブリに入社し、鈴木敏夫さんの助手として宣伝や企画開発などに関わってきました。『ゲド戦記』ではプロデューサー助手を務めています。その後、ジブリを退社し、フリーの脚本家となり、数々の作品を手がけました。そして、このたび『鹿の王』でも脚本を担当しています。
監督を務めたのは、皆さんご存知の安藤雅司さん。スタジオジブリでは、『On Your Mark』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』と作画監督を務め、その後ジブリを退社。今 敏監督作品や、新海誠監督作品等で活躍してきました。宮崎駿監督にも一目置かれる、天才アニメーターとして知られています。
また、共同監督として、『鹿の王』では、宮地昌幸さんも監督を担当しています。宮地さんもスタジオジブリ出身で、高畑勲作品『となりの山田くん』では制作進行を担当。宮崎駿監督に才能を見込まれ、『千と千尋の神隠し』では監督助手に抜擢されています。
これだけでも、ジブリファンにとっては注目となるところですが、それだけではなくて、作画を担当されたアニメーター陣にも、スタジオジブリ作品に携わった方々が参加されています。
『鹿の王』パンフレットはオススメ
本作は、安藤さんがジブリで培ってきたことが活かされたような作品なので、ジブリファンの方には、ぜひ観てもらいたいですし、パンフレットは絶対に買いですよ、とオススメしておきます。
今回のパンフレットは、とにかくインタビューが豊富でした。
主要キャストである、堤真一さん、竹内涼真さん、杏さん、原作者・上橋菜穂子さん、安藤雅司監督のインタビューが掲載されているのはもちろん、スタッフインタビューも充実しています。
なんと、作画を担当された、小西賢一さん、吉田健一さん、安藤雅司さんの三者対談が掲載されているのです。
お三方ともスタジオジブリ出身のため、ジブリ時代の話などもされています。
その他、世界観設定・イメージボードを担当した品川宏樹さん、美術監督の大野広司さん、色彩設計の橋本賢さん、音楽を担当した富貴晴美さんのインタビューも掲載。また、脚本の岸本卓さんと、ロケハン協力をされた伊藤洋志さんによる「ロケハン回顧録」と題した対談もあり、読み物として充実のパンフレットとなっています。