アカデミー映画博物館アメリカのアカデミー賞を主催している、映画芸術科学アカデミーによる「アカデミー映画博物館」が来年4月30日にオープンされることが決まり、それに伴い「宮崎駿展」の開催も発表されました。
本展は、スタジオジブリが企画制作協力しており、キュレーションはアカデミー映画博物館キュレーターのジェシカ・ニーベル氏とJ・ラウル・グズマン氏が担当しています。



今回の「宮崎駿展」では、宮崎駿監督がアニメーター時代に参加した『アルプスの少女ハイジ』や、ジブリ設立以前の長編作品『ルパン三世 カリオストロの城』から『風立ちぬ』まで、半世紀を超える宮崎駿監督のキャリアが300点以上の展示で紹介されます。

展示の詳細はまだ定かではありませんが、概要が明かされているのでご紹介します。

「宮崎駿展」概要

1: ツリートンネル
『となりのトトロ』のメイの後を追って、宮崎駿監督の世界へいざなう「ツリートンネル」をくぐってギャラリーに入ります。

2:クリエイティング キャラクター
「ツリートンネル」をくぐり抜けて「クリエイティング キャラクター」ギャラリーに移動すると、宮崎作品の主人公たちの映像がマルチスクリーンで上映されています。
『となりのトトロ』、『魔女の宅急便』や『もののけ姫』などのキャラクターデザイン原画をはじめ、海外未公開の作品も含めて、キャラクターがどのようにして誕生したのかを紹介します。

3:メイキング
スタジオジブリの共同創設者である高畑勲監督と共に、長期にわたり取り組んだ作品をはじめ、初期の作品を中心に紹介します。アニメーターとして参加した高畑勲監督のテレビシリーズの『アルプスの少女ハイジ』や、長編アニメーションデビュー作『ルパン三世 カリオストロの城』などが紹介されます。
また、『風の谷のナウシカ』のスペシャルトリビュートでは、宮崎駿監督のキャリアやスタジオジブリの設立に、いかに重要な作品だったかが強調されています。

4:クリエイティングワールド
宮崎駿監督の幻想的な世界を彷彿とさせる「クリエイティングワールド」ギャラリーでは、宮崎作品にもよく登場する、美しい自然や平和な環境と、労働や技術が支配する産業の世界とのコントラストを総合的に捉えています。
『天空の城ラピュタ』のイメージボードや、その後のジブリ作品のアートワークなど、宮崎駿監督のコンセプトスケッチや背景画をご覧いただけます。
『千と千尋の神隠し』の湯屋や、『崖の上のポニョ』の水に沈んだ世界、『紅の豚』や『風立ちぬ』などの飛行をテーマにした作品にみられる、複雑な垂直構造の美術設定に焦点を当てた展示となります。

5:スカイビュー インスタレーション
本展の見どころとして、宮崎作品のもう一つのモチーフとなる「ゆったりとした時間を過ごしたい」「一休みしたい」「考えたい」「夢を見たい」という思いを表現したスカイビュー インスタレーションでは、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。

6:トランスフォーメーション
ここでは、宮崎作品の登場人物やストーリーが目覚ましい変容を遂げていく様子など、映画の世界観を体感することができます。
例えば、『ハウルの動く城』では、主人公たちが様々な感情とともに肉体的な変容を遂げ、『風の谷のナウシカ』では、人間が自然界に及ぼす様々な影響を、異様で想像力豊かな方法で表現しています。

7:マジカルフォレスト
宮崎作品に登場する巨大で神秘的な木は、夢と現実の狭間で、別の世界への扉を開いてくれます。
本展の最終ギャラリーでは、『もののけ姫』に登場するコダマたちや、自然描写を中心とした、宮崎作品のイメージボードや背景画が展示されます。

「宮崎駿展」関連グッズや上映作品について

宮崎駿作品のイラストが豊富に掲載された、256ページに及ぶボリュームの大きい図録が用意されます。
初期のテレビシリーズから、長編アニメーション11本に至るまでの制作資料によって、宮崎駿監督の創作過程とアニメーション技術への理解を深めることができます。

この図録には、鈴木敏夫プロデューサーによる序文や、ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるピート・ドクター監督、映画評論家ダニエル・コーテンシュルテ氏、アカデミー映画博物館キュレーターのジェシカ・ニーベル氏によるエッセイや、図版付きのフィルモグ
ラフィーが収録されています。

また、アカデミー映画博物館内の最新鋭の劇場にて、日英両言語での映画上映や公開プログラム、ミュージアムストアではスタジオジブリに関連するユニークなグッズなども用意されます。