藤子・F・不二雄ミュージアム

『ドラえもん』が連載開始から50周年を迎え、藤子・F・不二雄ミュージアムでは「ドラえもん50周年展」が開催されています。
2月8日から始まった特別展示「藤子・F・不二雄とドラえもん」では、ドラえもんの50年の歩みが紹介され、その中の展示の1つに、高畑勲さんが書いた企画書が展示されています。



その企画書は、『ドラえもん』をアニメーション化するために書かれたもので、どうしても『ドラえもん』のアニメ化を成功させたいと考えたシンエイ動画の楠部三吉郎さんが、高畑さんに願いだって書いてもらった貴重なものです。

高畑勲さんが『ドラえもん』のアニメ化に携わっていた話は、以前記事にしたのでよかったらご覧ください。

ということで、この機会に初めて「藤子・F・不二雄ミュージアム」に行ってきました。

元々、一度は行ってみたいと思っていた場所だったので、近々行こうと考えてはいたのですが、まさか高畑さんの企画書が展示されるとは思わず、このタイミングで行かずしていつ行くのだと、お膳立てしてもらった気がしたので、展示切り替えも早々に行ってきました。

初めて行くワクワク感

ジブリ美術館には、もう何十回と行ってきましたけど、その他のマンガ・アニメ関係の美術館っていうのは、ほとんど行ったことがないんですよね。なんだか、すごく新鮮な気持ちになりました。

ジブリ美術館では慣れすぎてしまったので、どこに何があるか分かっているし、巡り方もある程度パターン化されてきてしまったので、初めて行く美術館ってこういうものだったかと、ワクワク感を思い出しました(笑)。

藤子・F・不二雄ミュージアム

駅からして、既にドラえもんが散りばめられているんですよね。
登戸駅のホームの看板が、『ドラえもん』のデザインになっているし、発車メロディも『ドラえもん』のテーマ曲が使われています。

藤子・F・不二雄ミュージアム

駅前にはドラミちゃんの銅像があったり、ドラえもん仕様のバスが走っていて、街ぐるみでドラえもんを盛り上げているわけですね。

ジブリも似たような感じで、三鷹駅を出たらジブリ美術館仕様のバスや、Pokiのバスが走っているし、ヤマネコの案内看板もありますけど、流石に駅のホームにまでは入り込んでいないですね。

藤子・F・不二雄ミュージアム

藤子・F・不二雄ミュージアムは、ガラス張りの外観が特徴的ですけど、この窓ガラスのフレームは『ドラえもん』の第1話のコマ割りが再現されているそうです。

藤子・F・不二雄ミュージアム

それから、レンガの壁には、ドラえもんの目が再現されたものが埋め込まれています。
なんとも遊び心を感じて、子供に戻った気分になりました。

入場は指定時間の15分前

藤子・F・不二雄ミュージアムのチケットは、ジブリ美術館と同じで入場時間が定められていて、10時・12時・14時・16時の4つがあります。
今回、12時入場のチケットで行ったんですけど、11時半にチケットの確認が始まって、11時45分には入場させてもらえました。

藤子・F・不二雄ミュージアム

これって、おそらくジブリ美術館と似たような感じで、10時入場の場合はキッチリ時間通りで、その他はすこし早めに入れてもらえるんじゃないでしょうか。だもんで、ちょっと早めに到着しておくのがオススメです。

ちなみに、入場できるのは指定時間の30分後までなので、これもジブリ美術館と同じです。遅れないように気を付けましょう。

チケットの販売はローソンのみなので、これも同じですね。券面には、ドラえもんが印刷されています。

ジブリ美術館でも真似してほしい

藤子・F・不二雄ミュージアムでは、無料で音声ガイドの端末を貸し出していました。
デフォルトのサービスになっていて、入場と同時に全員に渡してもらえます。

藤子・F・不二雄ミュージアム

これって、すごく良いですよね。ただ観ているだけでは分からないことも、より深く知る事ができますし、外国の人には英語でガイドをすれば喜ばれること間違いなし。このサービスは、すごく優しさを感じました。ジブリ美術館でも真似してほしいです。
常設展示はともかく、企画展示は説明があると無しでは面白さが全然違いますからね。

藤子・F・不二雄ミュージアム

それからは、フリーWi-Fiもありました。これは、ジブリ美術館では真似しなくても良いかもしれません。
なんとなく、ジブリ美術館は入場したらネットが遮断されるくらいのほうが、イメージと合っていますよね?(笑)

撮影エリアはカフェと外だけ

藤子・F・不二雄ミュージアム

これもジブリ美術館と似たような感じで、展示エリアは撮影禁止ですが、屋外のスペースやカフェでは撮影することができます。
ジブリ美術館の場合、カフェでの撮影は食べ物だけに限りますけど、ここでは店内も撮影して良いそうです。

藤子・F・不二雄ミュージアム

撮影用のコロ助やドラえもんの大きなぬいぐるみの貸し出しも行なっていました。
撮影OKといっても、もちろん他のお客さんに迷惑にならないように気を付けましょう。

藤子・F・不二雄ミュージアム

野外エリアは、隣接する生田緑地を活かす形で広場が作られていて、ドラえもんの土管だったり、どこでもドアや、恐竜のピー助とのび太たちがいます。
フォトエリアとして人気になっておりました。ジブリ美術館よりも、小さい子どもが多かったでしょうか。

藤子・F・不二雄ミュージアム

短編上映

これまたジブリ美術館と同じで、館内には「Fシアター」という映像展示室があって、ミュージアムだけで観ることができる短編が上映されています。

藤子・F・不二雄ミュージアム

糸井重里さんがプロデュースしたという『セイカイはのび太?』と、『ドラえもん誕生』の2本立てです。合計で15分程度だったでしょうか。
入場時に貰えるチケットで、1回だけ観ることができます。上映作品は、不定期に変更されるそうです。ジブリ美術館みたいに上映スケジュールは決まっていないようです。

高畑勲さんの企画書

そして、肝心の高畑勲さんが書いた『ドラえもん』の企画書は、最初の1ページだけ読めるようになっていました。
2ページからは下に重なっていて、残念ながら読めません。すぐそこに全文の原稿があるのに見れないもどかしさがありますけど、仕方がありません。ここは、藤子先生の美術館ですからね。
ヘタしたら表紙しか見れないんじゃないかという覚悟で来たので、1ページ読めただけでも御の字です。

高畑勲 ドラえもん

ここで展示してもらえただけでも、ありがたいというものです。

ちなみに、この展示は、2月8日から始まって2021年1月31日まで開催されます。つまり、4月10日から岡山で始まる「高畑勲展」にも展示されないということですね。
皆さん、ここに見に来ましょう。

藤子先生のファンが集まる場所で、高畑さんの企画書を読んでいたら、なんだか自分がジブリファン代表みたいな気持ちになったから、不思議だったなぁ。

ジブリ美術館や高畑勲展に行っても、自分がジブリファン代表だなんて全然思わないんですけどね。

大人が忘れてしまったもの

藤子・F・不二雄ミュージアム

藤子先生のファンの人からしたら、高畑勲さんの企画書を目的にするという、不純な動機で「藤子・F・ミュージアム」に行ってしまいましたけど、普通に藤子ワールドをチョー楽しんできました。
久しぶりに『ドラえもん』と触れ合って、子供心がよみがえるという感覚を味わいました。

藤子・F・不二雄ミュージアム

思い返してみると、『ドラえもん』って子供のころは毎週観ていたし、毎年公開される劇場版もけっこう観ていたんですよね。コミックも集めていたし。
それから、『キテレツ大百科』だったり、『パーマン』も再放送で観ていましたから、ほんとうに懐かしかったです。

藤子・F・不二雄ミュージアム

美術館の庭には、メジューサに石にされたドラえもんがいたんですけど、それを見つけたときは、ちょっとテンションあがりました。
『ドラえもん のび太の魔界大冒険』って、リアルタイムではないですけど小さいときに観ていて、かなり強烈に記憶に残っていた作品なんですよね。今観ても、あの映画は楽しめるんじゃないかなぁ。

それから、今回初めて『ドラえもん』の漫画原稿を見てわかったことがありました。
漫画って白黒だから、色があるとこは垂直線だったり斜線やドットのスクリーントーンが貼ってありますよね。

ドラえもん

ドラえもんの青いボディも、垂直線になってるじゃないですか?
あれって、スクリーントーンじゃなくて、手書きで線を引いているんですね。そして、さらに、色鉛筆で薄い青が塗られていました。

ホワイトもざっくり塗って直されていたりして、最初はこういうふうにしようとしてたのかな、とか推測ができたりもして、そういった生原稿だからこそ得られる情報も面白かったです。

藤子・F・不二雄ミュージアム

このサイトを見ている皆さんは、ジブリファンでしょうけども、子どもの頃に藤子先生の作品に触れ合った人だったら、「藤子・F・不二雄ミュージアム」は充分に楽しめると思います。

せっかくだから、高畑さんの企画書があるうちに行ってみてはいかがでしょう。

ところで

この美術館は「藤子・F・不二雄ミュージアム」とある通り、藤本弘先生の作品しかありません。
つまり、藤子不二雄A作品の『忍者ハットリくん』だったり、『怪物くん』『プロゴルファー猿』や『笑ゥせぇるすまん』なんかは無いわけです。
権利の問題で難しいんでしょうけども、安孫子素雄先生の作品も展示できるようにして、「藤子不二雄ミュージアム」に出来ないものですかね?

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