YOMIURI ONLINEに、『次郎長三国志』について、鈴木敏夫プロデューサーのインタビューが掲載されています。

 物心ついた時に、ラジオから聞こえてきたのが、広沢虎造の「清水次郎長伝」でした。親父(おやじ)が好きで、映画にも連れて行ってもらいました。次郎長を演じていたのが片岡千恵蔵で、だんだん、僕の頭の中に次郎長像が作られていったんだけど、それを打ち壊したのが「次郎長三国志」シリーズだった。

 中学生ぐらいだったかなあ。テレビで初めて見たら、僕の次郎長像と全然違っていた。立派じゃない。人間として未完成。それがリアルで、妙に印象に残りました。

 要するに、次郎長の成長物語になっている。大酒のみで暴れん坊だった次郎長が、反省して、ちゃんと生きていこうという話でしょ。いろいろな人間と知り合って、彼らが子分になって、一家がどうやってできていくかを描いているんだけど、小堀明男演じる次郎長が、ある意味頼りない。でも、それが魅力で、皆が親分を支えなきゃって思う。

 こういうことって、誰もが経験することですよね。僕も宮崎駿と出会って、スタジオジブリを作っていくんだけど、最初は2人だったのが、今気がついたら、いろんな人が集まってきているでしょ。「次郎長三国志」って、まるでジブリの歴史を見ているようなんですよ。

(後略)