愛・地球博記念公園で開催されていた、「ジブリの大博覧会」を見に行ってきました。
本展は、2005年に開催された日本国際博覧会の「愛・地球博」10周年記念として行なわれた「全国都市緑化フェア」の特別企画として、9月12日から11月8日まで開催されていました。
愛知万博は「自然の叡智」をテーマに掲げており、是が非でもスタジオジブリに参加してもらいたいと考えた愛知県が、熱烈にオファーしたことによって、『となりのトトロ』の「サツキとメイの家」が建てられました。
それから10年。再び愛知県から「スタジオジブリの展示を」と依頼を受け、本展の開催に相成りました。
9月に開催されてから、連日大盛況の様子が伝わってきて、いち早く行きたい気持ちはあったんですが、なかなか予定が組めずにいたところ、鈴木敏夫さんの講演会が名古屋で行われることが分かり、「行くならここしかない!」と終了間際に向かうこととなったのでした。
どうせなら快適に見たかったので、まだ空いている時間を狙って、朝早くから行きました。
藤が丘駅では、リニモカードの引換券を渡して、『マーニー』デザインのカードをゲット。もう終了間近だったので、無くなっていることも覚悟していましたけど、まだ残っていました。
そして、会場に着いたのは、8時半。まだオープンしておらず、誰もいません。この時間を利用して、公園内を散策することに。
「花と緑の夢あいち」というだけあって、ほんとうに花が綺麗です。
思い出のマーニー×種田陽平展
展示会場は2つに分かれており、まず最初に行ったのは「思い出のマーニー×種田陽平展」。こちらは、2014年に江戸東京博物館で開催された巡回展。もちろん、東京で開催されたときも見に行っています。しかし、今回の展示では、東京展のときよりもグレードアップされていました。
『思い出のマーニー』の作画監督である安藤雅司さんや、美術の吉田昇さん、美術監督の種田陽平さんのデスクが再現されており、作品がどのように作られていったか、資料を交えてわかりやすく展示されています。
また、デスク周りのディテールも凝っていて、臨場感が伝わってきました。ジブリ関連の展示で再現される仕事場は、いつも不自然さがありませんね。
この日は平日だったため、入口で平日限定ポストカードを頂きました。
当初は、6作品のポストカードが用意されていたようですが、このときには『思い出のマーニー』しか残っていなかったようです。
ちなみに、東京で見に行ったときは、特典として『マーニー』仕様のミニ・スケッチブックを貰いました。こちらもお気に入り。
ジブリの大博覧会
そして、もうひとつの展示は、愛知が初となる「ジブリの大博覧会展」です。
スタジオジブリの設立から30年。『風の谷のナウシカ』から『思い出のマーニー』までの歴史をふり返り、ポスターや広告宣伝物に、企画書や制作資料などなど、これまで公開されていなかったものまで展示されています。
会場は、あまり広い空間ではないですが、壁一面にすべてのポスターや資料が貼りだされていて、まさに圧巻です。30年という集積を感じます。本展の宣伝にもあった“涙と汗の30年”という、その熱のようなものも伝わってきました。
『もののけ姫』のキャッチコピーとなった「生きろ。」が生まれるまでに、鈴木敏夫さんと糸井重里さんの往復書簡が繰り返されたことは有名ですが、それ以前の作品のやりとりも展示されていました。初期の頃は、わりとすんなりキャッチコピーが決まっていたことがわかります。
『紅の豚』のキャッチコピーが、「カッコイイとは、こういうことさ。」に決まるまでのやりとりには、いかにも宮崎監督らしいエピソードも含まれていて面白かったです。糸井さんが、この「カッコイイ」ということについて解説していて、「カッコイイとは、どういうことか」わかりました。
鈴木さんのデスクも再現されていて、本棚にはたくさんの本と、ファイルが入っています。中身の資料を見てみたかったですが、公開できるものではないんでしょうね。
というか、ダミー?
机の上には、昔のアニメージュや、鈴木さんが集めているというサイコロ。若かりし、ロングヘアーの鈴木さんの写真なんかもありました。いまとは別人のようです。
『もののけ姫』制作時の資料には、「この作品が宮崎駿の最後の作品になる」という鈴木さんの文章がありました。
年齢的に、もう自分で描くことはないだろう、ということです。このときは、ほんとうにそう思っていたんでしょうね。実際、このときに宮崎監督は一旦身を引いていますし。
だけど、ここから、さらに4本も長編を作って、アカデミー賞やベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞していくんですね。もし、『もののけ姫』で引退していたら、海外のジブリファンはほとんどいなかったもしれません。
そのオスカー像に金熊賞のトロフィーも展示されていました。ついつい、宮崎監督が受賞会見で、オスカー像を持ちながら「ダンベル体操になりそう」と言っていたのを思い出します。いろいろな賞のトロフィーの中で、オスカーは群を抜いて重いのだとか。
グッズ展示のコーナーでは、これまでに作られた非売品グッズを含めたアイテムが、これまた所狭しと敷き詰められています。グッズには疎いので、知らないものばかりで面白かったです。ジブリグッズ収集家の方が見たら、離れられない空間なんだろうなぁ、なんて思いました。
これまでに刊行された、ジブリの『熱風』がすべて壁一面に展示されていたり、Tシャツなんかも狭い空間に巧みに展示されています。自分の部屋も、この展示を兼ねた収納方法で収められたら最高なんですけどね。
再入場できないので、のんびり二度見て回ってから「ジブリの大博覧会」を後にしました。
スタジオジブリの皆さま、最高の展覧会をありがとうございます。
もし、東京に巡回することがあれば、もう一度見に行きたいです。
大岩家の庭
そして、最後に、もう一つだけ展示があります。
「花と緑の夢あいち2015」の一環として、公園内の「あいちの庭」に『思い出のマーニー』の大岩家の庭が作られました。思わず入りたくなってしまいますが、もちろん立ち入り禁止です。
この日は、ほんとうに気持ちが良い日差しで、緑がすごく綺麗に見えました。写真で伝わるでしょうか。
入口のフクロウも再現されています。
トマトも美味しそうですね。
くぐり抜けたくなってしまう「ちかみち」もあります。
マーニーは、お花摘みの真っ最中のようです。
うしろで大岩夫妻が、温かく見守っています。
おまけ
せっかく名古屋まで来たので、「どんぐり共和国」栄公園店にも行ってみました。
わりと小さなお店ですが、棚の上にはジブリの大きなぬいぐるみや人形が置いてありました。売り物ではないようですが、素敵です。
楽しい愛知遠征もこれで終わり、ではなくて、「サツキとメイの家」にも行ってますし、翌日には鈴木敏夫さんの講演会も聞きにいきました。
こちらの記事は、また後日……。