日本映画批評家大賞が2015年(2014年度)のアニメーション部門各賞の受賞作品および、受賞者を発表しました。作品賞には、フルCGアニメで話題を呼んだ、水島精二監督の『楽園追放 -Expelled From Paradise-』が受賞。また監督賞はスタジオジブリから『思い出のマーニー』の米林宏昌監督が選ばれました。
作品賞を受賞した『楽園追放』は、近年流行している3DCGを用いてセルルックに仕上げる制作手法をとった作品。日本のアニメ界が長年培った、メカニックと少女といったモチーフを基に、最新のCG技術を使い表現。2014年11月15日に公開され、話題とはなったものの興行成績は振るわなかった。そうした作品も評価するのが日本批評家大賞と言えそうだ。
米林宏昌監督の『思い出のマーニー』は、もちろん手描きによる制作手法で作られた作品。特別賞を受賞した『ジョバンニの島』も手描きによって作られ、キャラクターや背景にはこれまで培われた日本アニメの制作技術が結集しています。
受賞には、CG作品と手描きの作品が同時に並んでおり、現在の日本アニメ界の状況が表れる結果となっています。。
第24回日本映画批評家大賞
アニメ部門 受賞者・受賞作品
作品賞
『楽園追放 -Expelled From Paradise-』 水島精二監督
監督賞
米林宏昌『思い出のマーニー』
功労賞
梅澤道彦・阿部秀司『STAND BY ME ドラえもん』
声優賞
山寺宏一
特別賞
『ジョバンニの島』西久保瑞穂監督
思い出のマーニー 米林宏昌監督がイギリスの名作児童文学を元に、舞台を北海道に置き換え映画化したファンタジー。幼い頃に両親を亡くし、あることがきっかけで心を閉ざしてしまった12歳の少女が、療養のために訪れた海辺の村で経験するひと夏の不思議な出会いを描く。 |