根岸なつかし公園 旧柳下邸

『コクリコ坂から』の主人公・松崎海は、コクリコ荘という下宿屋に住んでいて、その建物は横浜の山手エリアにある、さまざまな西洋館をイメージして作られたとされています。公式では、そのように発表されています。
しかし、非公式に、もっともコクリコ荘に似ている建物が、横浜市の「根岸なつかし公園」に存在します。



その建物は、「旧柳下邸」といって、明治から大正期にかけて活躍した商人の柳下氏によって、大正中頃に建設されました。
映画のコクリコ荘は、明治後期に建てられた設定なので、若干の違いはありますが、何よりも建物の見た目と、その雰囲気はとても似たものがあります。

根岸なつかし公園 旧柳下邸

コクリコ荘は、下宿屋の建物は西洋建築となっていて、松崎家の離れは渡り廊下でつながった日本家屋です。
和洋折衷が特徴的な建物なのですが、この旧柳下邸もまさにその通りで、渡り廊下ではないものの洋風の建物と日本家屋がくっ付いております。

根岸なつかし公園 旧柳下邸

昔はこういう建物が多かったから、ただの偶然の一致、といえばそれまでかもしれません。
否、しかし、公式に参考にしたとされている、山手エリアの西洋館と比較しても、段違いで似ているのは、こちらの旧柳下邸なのです。

中にも入りましたが、庭に面した和室なんて、コクリコ荘のお婆ちゃんの部屋に近いものを感じました。
ちなみに、内部の写真撮影は禁止となっていたのですが、スタッフの方にお願いをしたら、2~3枚であれば構いませんと許可を得ることができましたので、掲載しています。

根岸なつかし公園 旧柳下邸

公式にはモデルではないとされていますが、本当に参考にされていないのでしょうか?
『コクリコ坂から』は横浜が舞台で、さまざまな場所を取材して作られています。

根岸なつかし公園 旧柳下邸

ジブリ作品としては初めて、ロケ地を明言している作品です。
横浜を取材するうえで、同じ横浜市にある、この「旧柳下邸」を美術スタッフが誰一人こないということがあるのでしょうか?

根岸なつかし公園 旧柳下邸

ジブリ作品というと、ロケ地でない場所も、ロケ地と紹介されてしまうことが多いため、この手の記事をあげるか迷ったのですが、変な憶測を広げたいわけじゃないことをご理解ください……。

すべてのロケ地を見て回った結果、この建物が一番雰囲気が近いし、制作時に取材に来ないというのも、なかなか考えにくいので、なんだか不思議に感じたんですよね。

根岸なつかし公園 旧柳下邸

さてさて、コクリコ荘とよく似た、この「旧柳下邸」。皆さんは、映画の参考にされたと思いますか?
それとも、単なる偶然だと思いますか?