ジブリ旅3日目です。この日は、鞆の浦から少し離れた、阿伏兎観音と後山公園に行ってきました。
この二つは鞆港から、ちょっと離れた場所に位置するため、旅の前からどうやって行こうか考えていました。
深津屋の奥さんには、バスで行くのを勧められていたんですけど、自由がきくことからレンタサイクルで行きました。
ということで、朝10時にホテルの近くのレンタサイクルで自転車を借りて、まずは阿伏兎観音に向けて出発しました。
この二日間、歩き通しで、歩くのが当たり前でしたけど、自転車があまりに快適だったんで、これは初日から借りておくべきだと思いました。なんて気持ちが良いんでしょう、自転車。素晴らしいぞ。このママチャリは、轟天号と名付けました。どうでもいいですけど。
ほんの数分走っただけで、もう観光地から離れてしまいました。
このトンネルは、阿伏兎隧道。ここを通ると、もしかしたらポニョが魚に戻るかもしれません。
後から調べて知りましたけど、このトンネルを含む福山グリーンライン全体が心霊スポットになっているようです。映画本編でも、ポニョと宗介が通るトンネルについては、霊的な考察をしている人がいますよね。
ぼくは、朝から走っていたので、全然平気ですけど、もし夜だったら怖かったかもしれませんね。
まるで地元民のような気分で自転車を漕ぐこと30分。阿伏兎観音に到着しました。
拝観料は、100円です。安いですけど、広島県の重要文化財に指定されているんですよ。
こちらの石段を上って行くと、観音堂に続いています。
朱塗りで、とっても綺麗。神社みたいですけど、臨済宗のお寺なんですよね。
さあ、観音堂に到着しました。床板が若干傾いています。
しかも、海側に傾いているので、油断すると海に引っ張られます(笑)。
高所恐怖症の人は、ちょっと怖いかもしれません。
灯籠には、なぜかおみくじがたくさん結び付けられていました。
ご利益は、きっと変わらないことでしょう。
眼下には、広大な海が広がっていて、見晴らしは凄くいいです。
海には、ジェットスキーで遊んでいる人や、釣りをしている人たちがいました。
阿伏兎観音を拝みながらの釣りは贅沢ですね。
観音堂から届く木の枝にも、たくさんお守りが結ばれています。
やはり、皆さん、安産や、子宝祈願で結ばれてるのでしょうか。
そう、この阿伏兎観音は、安産、子宝の観音として信仰されていて、おっぱい形の絵馬も奉納されています。この日も、妊婦の方が、参拝に来ていました。
宮崎駿監督も、この場には訪れていて、阿伏兎観音がグランマンマーレの源泉になったと、ファンの間で言われています。
映画でも、グランマンマーレが船の下を通過したときに、「観音様だ。観音様の御神渡りだ」と言ってますよね。
発想の源のひとつに、阿伏兎観音があることは間違いないと思います。
阿伏兎岬の先端には、石造の三重塔があります。観音堂がいちばん良く見える場所です。
ここが三重塔から見た観音堂です。ポニョと宗介と一緒に記念撮影。岬の荒々しい岩場に建てられた、朱色の美しい姿から、すべてを超越したグランマンマーレを発想したんでしょうか。
阿伏兎観音は、かの有名な浮世絵師の安藤広重(歌川広重)も描いています。
日本全国の名所を描いた、六十余州名所図会の中にある、「備後 阿武門観音堂」という作品です。
広重さんも、きっとこの場所から描いていたのでしょう。
1853年に制作された作品ですが、その当時は建物の形もずいぶん違ったみたいですね。
阿伏兎観音を見た後は、また自転車に乗って、後山公園に行きました。
そこは、『崖の上のポニョ』の終盤で、宗介がお母さんを探しに行ってたどり着いた公園のモデル地です。
ではでは、また次回につづく……。