3月の下旬。東京では桜が満開となり、普通だったら花見客でごった返すような時期ですが、新型コロナ騒動で人足が遠のいた野川公園に行ってまいりました。
野川公園というのは小金井市にあって、スタジオジブリからもほど近い、川あり池あり丘ありの自然豊かな公園で、見応えのある桜の木も並びます。
この公園って、米林宏昌監督作品の『借りぐらしのアリエッティ』のロケ地になったことが公言されたため、ジブリファンの間でも有名になりました。
「はけの小路」という小さな遊歩道では、映画の終盤でアリエッティたちがヤカン船に乗った川のモデルとなっていたり、野川に掛かる天神橋が映画の冒頭に登場していたりします。こちらは、以前にも記事にしていますし、動画にもしているので良かったらご覧ください。
そして、ジブリ作品では、他にも野川公園をモデルにしていそうな作品がありまして、それは高畑勲監督作品の『かぐや姫の物語』です。
この作品に関しては、モデル地が公言されているわけではありません。
しかし、本作の制作時に、高畑勲監督は何度も野川公園を散歩していたことから、桜の木に関しては参考にしているものと思われます。
物語の終盤、かぐや姫が故郷に戻り、桜の下で嬉しそうにハシャぐシーンがあります。
丘の上に咲く、立派な桜の木が登場しましたが、よく似ていると思いませんか?
ちなみに、作中のこの背景画を描いたのは男鹿和雄さんです。
アートブックやガイドブックを見ても、山桜の美術に関してはロケ地を言及されていないので、モデル地と言い切れません。
しかし、高畑監督の憩いの場であったことや、『かぐや姫の物語』を制作していたスタジオジブリ第7スタジオからも近かったことも考えて、野川公園が参考にされた可能性が高いのではないでしょうか。
仮にモデル地じゃなかったとしても野川公園は良い場所なので、興味のある方はぜひ遊びに行ってみてくださいね。
『借りぐらしのアリエッティ』のモデル地であることは間違いありませんし、「はけの小路」の向かいにある喫茶店「はけの森カフェ」も素敵です。