六本木ヒルズ・スカイシティビューにて、7月7日より開催されている「ジブリの大博覧会」に、先日行ってきました。
この展覧会は、愛知で開催されたときにも行っているので、今回で2回目となります。
といっても、展示内容は少しバージョンアップされていて、新作『レッドタートル ある島の物語』の展示と、ジブリ作品に登場する飛行機に焦点をあてた「空とぶ機械達展」が追加されています。
『レッドタートル ある島の物語』展
展示場に入ると、いきなりゴーギャンの絵画が飾られています。何の説明もないので、ジブリの展覧会としては、あまりに唐突に感じますが、こちらの絵を飾ることにした経緯は、鈴木敏夫さんによって語られています。
新作『レッドタートル』のキャッチコピーは、「どこから来たのか どこへ行くのか いのちは?」というもの。そして、絵画のほうは「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」というタイトル。この一節に通ずるものを感じた鈴木さんは、この絵を本展で飾ることに決めたそうです。
ジブリ作品のキャッチコピーはこれまで、糸井重里さんや鈴木敏夫さんが考えてきましたが、今回の『レッドタートル』に関しては、詩人の谷川俊太郎さんが作っています。
鈴木さんが高校のころに観たギリシャ映画『春のめざめ』のパンフレットに、谷川さんが詩を寄せていたことを思い出し、今回依頼する切欠になったといいます。
『レッドタートル』を気に入った谷川さんは、快く承諾し、一編の詩が作られました。そこから、鈴木さんが抜粋したものが、キャッチコピーとなっています。
水平線を背に何ひとつ持たず
荒れ狂う波に逆らって
生まれたての赤ん坊のように
男が海からあがってくるどこなのか ここは
いつなのか いまは
どこから来たのか
どこへ行くのか いのちは?空と海の永遠に連なる
暦では計れない時
世界は言葉では答えない
もうひとつのいのちで答える
会場では、物語のラフ画と一緒に、詩の全文がでかでかと展示されていて、すっかり心を打たれました。公開が楽しみです。
「レッドタートル展」では、絵コンテに、ラフ画、設定資料、カラーボードなども展示されています。
「ジブリの大博覧会」展
そして、第2エリアの「ジブリの大博覧会」展では、ポスターやチラシなどの広告宣伝物に、作品関連書類、企画書などが展示されています。こちらは、愛知で開催されたときと同じものが展示されています。
壁一面に貼られたポスターやチラシ、スタッフの写真など、圧巻の内容。キャッチコピーを決める際に交わされた、糸井さんと鈴木さんの往復書簡なども展示されています。おふたりのユニークなやりとりをお見逃しなく。
スタジオジブリ作品のキャッチコピー
『風の谷のナウシカ』/少女の愛が奇跡を呼んだ。
『天空の城ラピュタ』/ある日、少女が空から降ってきた…
『となりのトトロ』/このへんないきものは まだ日本にいるのです。たぶん。
『火垂るの墓』/4歳と14歳で、生きようと思った。
『となりのトトロ』&『火垂るの墓』/忘れ物を、届にきました。
『魔女の宅急便』/おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。
『おもひでぽろぽろ』/私はワタシと旅にでる。
『紅の豚』カッコイイとは、こういうことさ。
『海がきこえる』/高知・夏・17歳 ぼくと里伽子のプロローグ。
『平成狸合戦ぽんぽこ』/タヌキだってがんばってるんだよォ。
『耳をすませば』/好きなひとが、できました。
『On Your Mark』/翼を持つ少女を汚染されたスラムから救出し、青空へ放とうとした二人の青年……
『もののけ姫』/生きろ。
『ホーホケキョ となりの山田くん』/家内安全は、世界の願い。
『千と千尋の神隠し』/トンネルのむこうは、不思議の町でした。
『猫の恩返し』/猫になっても、いいんじゃないッ?
『ギブリーズ episode2』/ふとふり返ると。
『ハウルの動く城』/ふたりが暮らした。
『ゲド戦記』/見えぬものこそ。
『崖の上のポニョ』/生まれてきてよかった。
『借りぐらしのアリエッティ』/人間に見られてはいけない。
『コクリコ坂から』/上を向いて歩こう。
『風立ちぬ』/生きねば。
『かぐや姫の物語』/姫の犯した罪と罰。
『思い出のマーニー』/あなたのことが大すき。
『レッドタートル ある島の物語』/どこから来たのか どこへ行くのか いのちは?
ネコバス
今回は、愛知のときと違い、大人でもネコバスに乗れるようになっていました。
鈴木さんいわく、これまでのネコバスよりも座席のクッションが柔らかくなったとのこと。試しに乗ってみましたけど、なかなか心地よい空間でした。でも、壁は硬かったです。
夜になると、ネコバスもライトアップされて輝いています。ネズミの目が光っていますね。
空とぶ機械達展
そして、いよいよ最終エリア、「空とぶ機械達展」です。
こちらは今回が初となる展示。ジブリ作品に登場する、さまざまな飛行機がパネルで紹介されているほか、『天空の城ラピュタ』のオープニングに登場する飛行艇に至っては、大型模型となって飛んでいます。こちらは、実物を見ると、かなりの迫力があります。
夜になるとライトアップされるので、展示場から見える夜景と相まって、とても素敵な空間になりました。
夜は、展望台として夜景を楽しむ人も少なくありません。
六本木ヒルズの「ジブリの大博覧会」はデートにも向いているようです。
空とぶ機械達展 動画
ジブリ飯が食べられるレストラン「THE SUN」
展示場と同フロアにあるレストラン「THE SUN」では、ジブリ飯をイメージした食事ができるようになっています。
私は、『天空の城ラピュタ』に登場した、肉ダンゴのスープと目玉焼きトーストを食べてきました。こちらのレストランは、会期中だけジブリ仕様で営業されています。展示の休憩などに、立ち寄ってみてはいかがでしょう。
常にジブリのBGMが流れていて、余韻に浸りながら食事をすることができますよ。
ジブリの大博覧会 グッズショップ
グッズコーナーでは、今回から登場した、「ジブリの大博覧会」限定のTシャツや、前掛け、ぬいぐるみなどが販売されています。現在は品切れとなっているものも、多いかもしれません。
パンフレットは、愛知展で販売されていたものと同じです。
増補版を期待していたんですが……。
私は、みみずくトトロと前掛けを買ってしまいました。どこで使おう、この前掛け……。
ジブリの大博覧会 ~ナウシカから最新作『レッドタートル』まで~
期間:2016年7月7日(木)~9月11日(日)
時間:10:00~22:00(最終入場21:30)
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー