毛虫のボロ

三鷹の森ジブリ美術館で21日から始まった、宮崎駿監督の新作短編アニメーション『毛虫のボロ』を観てきました。
宮崎監督の作品としては『風立ちぬ』の公開から、5年ぶりの新作となります。本作の主人公は、ボロギクの茎で生まれた毛虫の赤ちゃん「ボロ」の冒険物語です。



『毛虫のボロ』は宮崎監督が長年温めてきた企画で、一時期は長編の企画としても検討されました。

宮崎監督は「小学生のとき、植物の光合成について教えられて、光合成はどう見えるのかズーッと気になっていました」とコメント。「虫からみた世界を描いてみたい」という思いから作ったといいます。

本作は、手描きに加えて、一部にCGが取り入れられており、CGクリエイターの櫻木優平さんらが参加したことでも話題となりました。

毛虫のボロ

ジブリ美術館の2階では、『毛虫のボロ』のギャラリー展示が始まっていて、宮崎駿監督の描いたイメージボードや、CGの使用意図や、本作を作るにあたって影響を受けた漫画『空飛ぶあくま』などが展示されています。
宮崎監督は、少年時代にこの漫画を読んで、記憶の片隅に虫の世界の残酷さがずっと残っていたそうです。『毛虫のボロ』本編にも、その影響が垣間見れるシーンがありました。
このギャラリーのエリアは、ボロの気持ちになれるように、作り物の草で覆われているんですけど、ちゃんと青臭い匂いがするんです。まるでピーマンのごとく。どこに匂いつけてたんだろう。

ギャラリー展示のイメージボードだけで感動してしまったんですけど、本編はもっと濃密な世界がありました。
虫の視点から見た酸素ゼリーや、差し込む光、光合成の表現は、宮崎駿監督ならではのイマジネーションを感じました。CGスタッフもそうとう頑張ったんでしょうね、素晴らしい映像でした。2時間くらいこの世界に浸っていたかったです。長編で作っていたら、どのような展開になったんだろう?

毛虫のボロ

ちなみに、上映が始まる前には拍手が起きて、劇中のあるシーンでは爆笑が起こり、エンドクレジットでは声優の名前に驚きの声が上がって、万感の拍手で幕を閉じました。
ジブリ美術館の短編作品では、いちばん沸いた作品なんじゃないでしょうか。

個人的にも、ジブリ美術館の短編でいちばん好きな作品になりました。

そういえば、本作の制作風景が放送されたNHKのドキュメンタリー『終わらない人 宮崎駿』で、櫻木さんがボロの小さな手に指をつけることを提案してましたけども、ちゃんとボロの手には指がついており、その案が採用されていました。

また劇中には宮崎駿監督が登場していることが、早くも話題になっていますね。
公開間もないので画像の掲載は控えますが、パンフレットにも監督の姿が載っています。
宮崎監督の隣で立っている男性は庵野秀明監督かな?

『毛虫のボロ』グッズ

毛虫のボロ
『毛虫のボロ』グッズは、まだそんなに沢山はありませんけど、現在はこちらの8点のアイテムが発売されていました。
パンフレット、クリアファイル、バッジ(2個)、シール、ポストカード、ぬいぐるみ、マスキングテープです。そんなに多くないので、全部買っちゃいました。

毛虫のボロ
パンフレットには、宮崎駿監督と養老孟司さんの対談や、スタッフのインタビューも掲載されているので購入をオススメします。


ボロのぬいぐるみも可愛いですよ!