9月10日に台湾メディアに向けて行なわれた、宮崎駿監督インタビューのニュース映像が動画サイトに上がっています。
以前、このインタビューの2020年東京五輪について「何かを制作するつもりはない」と報じられたことに対して、スタジオジブリが完全否定という記事が出ていましたが、ニュアンスの違いから生じた問題なんでしょうね。

映像はほんの一部ですが、宮崎監督は「オリンピックに関心がありません。ぼくは、イスタンブールでやればいいのにと思っていました」と話しています。



台湾メディアによる宮崎駿監督インタビュー

年齢について
「自分の実年齢と、自分の感覚の年齢でいうと、20年から30年ギャップがあるんですよ。自分が72歳だと思うと「えっ?」って。52歳と言われたら納得する気がするんですけど。なんか、面白くないんですよね、「おまえ、72だ」って言われると。いや、ぼくはそんなに生きた記憶がないんだけどって(笑)」

映画のモデルについて
「映画を作ると、モデルは自分のとこだろうって言う人は、日本にもいっぱい居まして。『トトロ』のときも、ぼくは家の近所を集めた材料で作ったんですが、遥か九州から「モデルはここだ」とか。同じような風景は、いっぱいあるということです」

原発について
「54基もあるんですよ、原発が。日本に。どうするんだと思いますよね。ほんとうに、今の快楽のために子孫を抵当に出しているようなもんです。ほんとうに愚かなことだと思いますね。原発は、もう古い技術です。止めなければいけません」

オリンピックについて
「2020年まで、ぼくは生きているんでしょうかね。わかりませんね。オリンピックには関心がありません。ぼくは、イスタンブールでやればいいのにと思っていました」

 

「どんな辛いことでも、いつかは終わる。だから、歯を食いしばって我慢する」

 

レコードチャイナによる「スタジオジブリが報道を否定」の記事

2013年9月11日、台湾・中国時報は、日本アニメ界の巨匠・宮崎駿氏が、2020年東京五輪について「何かを制作するつもりはない」と発言したと報じた。これについてスタジオジブリの担当者は完全否定している。

記事では宮崎氏が、福島の放射能汚染の問題で、政府関係者が五輪までの7年での解決に自信を持っていることについて、「これは700年、7000年経っても解決できない問題だ」とし、五輪開催で日本の経済が良くなるといった意見があることには「楽観的すぎる」と発言したことなどが紹介されている。また、「福島の放射能汚染と2011年の東日本大震災の被災者がまだ十分な支援を受けられていない中で五輪に予算をつぎ込むのは本末転倒だ」と話したとしている。

記事ではさらに、宮崎氏が「東京スカイツリーができれば拝みに行き、富士山が世界遺産に登録されれば富士山に行く。東京五輪ではまた同じような人たちが東京に押し寄せるだろう。これらの人たちに日本を変える能力はない。彼らのために何かを制作するつもりはない」と語ったと伝えている。

宮崎氏によるものとされるこれら一連の発言について、スタジオジブリの担当者は「そのような発言はなく、事実無根だ」と報道を真っ向から否定している。

折り返し点―1997~2008
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