思い出のマーニー×種田陽平展先日、江戸東京博物館で「ジブリ汗まみれ」の公開収録が行われ、美術監督の種田陽平さんと鈴木敏夫さんが対談をしました。話は、ジブリとは遠い“寺山修司”から始まり、『マーニー』の美術について、世代論、鈴木さんによる西村プロデューサー批判など、多岐にわたりました。
今回の対談は、8月10日の「ジブリ汗まみれ」で放送されるようです。

放送前ですが、今回の対談で印象に残った部分を箇条書きにしていきます。



鈴木敏夫のコメント

鈴木敏夫

  • 種田さんに色指定もやってほしかった。そのほうが背景のマッチングも上手くいくと思った。
  • 宮崎駿は観念の人。『トトロ』でクスノキを描いたけれど、実際のクスノキはほとんど見たことがなかった。
  • マーニーの部屋が、人間の大きさに対して広すぎる。もう少し狭くしてほしかった。
  • 『マーニー』は原作が良いから、ある一定のものが出来る読みはあった。
  • 企画者としては満足してる。しかし、台詞による説明が多すぎた。
  • 米林は平面的に人物を描く。作監の安藤は立体的に描いている。米林がマーニーを描き、安藤が杏奈を描いている。そこが見所のひとつ。
  • 洋館の船着き場のアイディアは感心した。あれが、あるとないとではドラマ性が違う。
  • 『マーニー』公開から2週間経ったが手ごたえが悪い。お客が中高生ばかり。大人が観ても面白いから勿体ない。
  • 西村が、若さを強調して宣伝しているが、西村も米林も充分中年のおじさん。若いなんて、ちゃんちゃらおかしい。
  • ぼくは団塊の世代に属する。若さを強調してる西村も米林も団塊ジュニア世代。この世代は自尊心が強い。自分が正しいと思い込んでいる。みんなに意見を求めることがない。

 

種田陽平のコメント

種田陽平

  • 特に『マーニー』をやろうと思わなかった。しかし、鈴木さんは一瞬で空気を変える力を持っている。
  • 美術の仕事は、焦ると失敗することが多い。美術はアートとは違う。役者と演出の出方を見た方が良い。
  • 実写は映像に偶然性がたくさん起きる。アニメは極端に偶然がすくない。
  • 美術監督は、先行ロケハンをして映画のコースを提案するのが役割。
  • 米林監督は、みんなの意見も聞くが、頑固なとこは頑固。
  • ぼくは団塊の世代の弟分に属する。「おまえの考えはどうでも良い。映画に役立つことだけやれ」と扱かれた。
ジブリの世界を創る
「種田さんに美術を頼んでホントによかった! 」――鈴木敏夫
『思い出のマーニー』で初めてアニメの美術監督に挑戦する種田陽平氏。
日本を代表する美術監督が、『思い出のマーニー』の制作の裏側を明かしながら、映画美術の仕事と創造の極意を語る。米林宏昌監督との特別対談も収録。

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