千と千尋の神隠し 九份

スタジオジブリ作品といえば、モデルとされる場所が人気を集め、観光名所になることも少なくありません。
中でも、『千と千尋の神隠し』では、台湾の九份が、千と千尋の不思議の町のモデルであるという情報が広まり人気を集めています。しかし、この場所は、雰囲気が似ていることから、誤って広まった情報で、モデル地ではありません。



宮崎駿監督が、台湾の九份でロケハンをした事実はなく、台湾の記者に向けたインタビューでも、宮崎監督は以下のように語っています。

同じような風景は、いっぱいあるということです。

――(『千と千尋』のモデル地は)台湾の何処かから、ということではないんですか?

宮崎:
ええ、違います。映画を作ると、モデルは自分のところだろう、という人は日本にもいっぱい居まして。トトロのときも、ぼくは家の近所を集めた材料で作ったんですが、九州から「モデルはここだ」とか。同じような風景は、いっぱいあるっていうことです。

モデル地について スタジオジブリの見解

スタジオジブリの公式サイトでは、湯屋のモデルについて、松山にある「道後温泉本館」と「江戸東京たてもの園」にある「子宝湯」を参考にしたことが明かされています。

また、多くの温泉宿から、モデル地についての問い合わせがあるそうですが、その他に特定のモデルはないことが語られています。

公開後、「山形の銀山温泉」「宮城の鎌崎温泉」「群馬の四万温泉」「長野の渋温泉」「鳥取の羽合温泉」などの温泉宿から、「うちがモデルではないか」というお話をいただきました。いずれも、古風で立派な建物で、なかには、正面に赤い橋が架かっていたり、大きな湖に面していたりする、映画にそっくりな湯屋もありました。また、同じ「油屋」の屋号を持つ温泉旅館は国内に何軒かあり、中でも長野県の諏訪湖畔に建つそれは、結構似ているようにも見えます。これらの温泉地に監督が訪れたことがあるのか否かについては、残念ながらわかりませんが、監督が特定のモデルはないという以上、正解ではないようです。