先日、スタジオポノックによる長編アニメーションの制作発表がありました。
ジブリファンにとっては、待ちに待った発表だったわけですが、一般的には「スタジオポノックってなんぞや?」という方も多いようです。
そこで、スタジオポノックの情報をまとめておきたいと思います。
スタジオポノックとは、2015年4月に出来たばかりの、新しいアニメーション制作会社です。
スタジオジブリの制作部が解体されることを受けて、スタジオジブリでプロデューサーを務めていた、西村義明さんが設立しました。
西村さんは、2014年末までスタジオジブリに在籍していましたが退社し、前作『思い出のマーニー』でタッグを組んだ米林宏昌監督と、新しい作品を作るために、このスタジオを作ったといいます。
出来立てほやほやのポノックですが、これまでにJR西日本のキャンペーンCM「JR西日本 Summer Train!」や、滋賀県観光誘致ポスターの作成に、渋谷道玄坂一丁目の工事用囲い看板のイラストなどを手がけています。
この先は、短編映画も作るそうですし、絵本なども作るかもしれないそうです。
スタジオの名前である、“ポノック”というのは、クロアチアの言葉で“深夜0時”という意味があるのだとか。新たな一日のはじまりの意味を込めてつけたといいます。
なぜ、クロアチア語を使ったのか不思議だったのですが、映像研究家の叶精二さんは、このような解釈をしていました。
「GHIBLI」はイタリア語でサハラ砂漠から地中海を越え南イタリアに吹く「熱風」。クロアチアは『紅の豚』の舞台アドリア海をはさんだイタリアの対岸。「PONOC」とは遙かな「GHIBLI」到達地点の深夜0時、次なる朝に向かう意味ではと。https://t.co/Do06d4Oc87
— 叶 精二 (@seijikanoh) 2016年12月15日
熱風の到達地点から始まる、新たな夜明けという意味のようです。西村さんが、このような意図を持っていたのかわかりませんけど、カッコイイですね。
先日の制作発表会見で、ポノックはジブリの後継であることが、堂々に掲げられ幕を開けました。
現在制作している『メアリと魔女の花』は、撮影監督に奥井敦さんと、福士享さんが参加していることが発表されています。絵作りの要となる、原画や動画、作画監督などのスタッフは、まだ発表されていません。しかし、8割のスタッフは、これまでのジブリ作品を経験しているといいます。
おそらく、これまでのジブリ作品に遜色ない映像が作られると思います。
“ジブリっぽい”作品を作るだけではなく、『太陽の王子ホルスの大冒険』から始まり、「世界名作劇場」を経て、スタジオジブリに発展していった高畑勲・宮崎駿両監督のものづくりに対するスピリットを、次のステップに継承していってくれることを願っています。