スタジオジブリの美術

遂に発売された、「スタジオジブリの美術」を買ってきました。



ジブリ作品のアートブックといったら、「ジ・アート」シリーズがありましたが、背景美術のみに焦点を当てた本は今回が初めてです。
そして、なんといっても本書の嬉しいところは、「ジ・アート」にも含まれていない作品の背景美術も掲載されているところじゃないでしょうか。

歴代の劇場公開作品が27作品、背景美術を844点収録されました。

スタジオジブリの美術

『火垂るの墓』『平成狸合戦ぽんぽこ』『海がきこえる』『耳をすませば』は、どういった事情なのか「ジ・アート」シリーズには入っていませんが、本書にはこれらの作品もすべて収められています。

それから、『On Your Mark』『ギブリーズ episode2』といった短編作品も掲載されているのが嬉しいところです。そうそう、これを忘れちゃいけません。『レッドタートル ある島の物語』も収録されています。

これまで、アートブックの無かった作品の背景画も、じっくりと眺めることが出来るので、また新鮮な印象を受けます。キャラクターが乗っていないということもありますし、映画では一瞬で流れてしまうシーンでも、止め絵で見るとまた印象が違うものです。

スタジオジブリの美術

あぁ、このシーンってこんな綺麗だったのかー、ここってこんな色だったのか―、と言った具合に、色々な発見もあります。

『となりのトトロ』では、関東ローム層を表現するために、赤土にしたという有名なエピソードがあるのですが、確かにかなり赤く見えました。

他の書籍にも収録されている絵なのですが、本書で見た方が赤く見える、ということはこの色味が原本と近いのかなと思いました。

スタジオジブリの美術

全作品収録、全568ページということで、とにかく重い。本は重たいほうが大事にする、という鈴木敏夫さんの考えのもと、これまでもずっしりと重たいアートブックが作られてきましたが、本書は2.6キロと図抜けて重いです。

全作品が一冊にまとまったこの高級感は、とても嬉しいです。
嬉しいです、嬉しいのですが、一冊にまとめたことで背景画はかなりの数が間引かれているのも事実なので、欲を言ったら作品ごとに一冊ずつ出してほしいなー、とも思いました。

スタジオジブリの美術

ほら、昨年「宮﨑駿イメージボード全集」が刊行されたじゃないですか。
あのシリーズのように、一冊ずつ刊行してもらえたら楽しみも続きますし、文化遺産にもなりますし、ジブリさん如何でしょうか?!

スタジオジブリの美術
発売日:2025年1月22日
価格:13,200円(税込)

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